長崎名勝図絵の風景 2 晧 台 寺
「長崎名勝図絵」は、長崎奉行筒井和泉守政憲の命を承け、当時長崎聖堂助教で儒者であった、西疇 饒田喩義強明が、野口文龍渕蔵の協力を得て編述し、これに画家の竹雲 打橋喜驚惟敬の精緻な挿絵を加え、完成したもので、執筆は文化、文政年間(1804−1829)であったと思われる。平易に読める文体に書き改めた詳訳が、丹羽漢吉先生の訳著によって、長崎文献社から長崎文献叢書第一集・第三巻「長崎名勝図絵」として、昭和49年(1972)2月発行されている。(発刊序から)
本ブログ「長崎名勝図絵の風景」は、主な図絵について現今の写真と対比させる試み。デフォルメされた図絵が多く、現在ではそのとおりの風景はほとんど写せない。おおかたがわかる程度の写真として撮影している。解説は詳しく引用できないので、図書を参照していただきたい。
晧台寺は次の記事も参照。 https://misakimichi.com/archives/1677
長崎名勝図絵 巻之二上 南邊之部
88 海雲山晧台寺 (文献叢書 36〜41頁 所在地 長崎市寺町)
大窪山の麓、高野平郷にある。元は岩原山の下にあって…寛永18年(1641)には特に褒章を賜わり、上使井上筑後守源政清が派遣され、山地数百畝と緡銭一萬を喜捨して、岩原から今の地に移建された。…翌19年一庭は…勅定によって了外廣禅師と号し、更に勅して海雲山普昭晧台禅寺の号を賜わった。曹洞派の禅宗である。…切支丹も年々衰微の旨、江戸幕府に聞こえ、正保5年(2月改元慶安元年 1648)御朱印を賜わり、永く免租となった。境内11,677坪。…
長崎県教育庁学芸文化課HP「長崎県の文化財」 トピックス情報
http://www.pref.nagasaki.jp/bunkadb/
NEW 長崎晧台寺の大仏(毘盧舎那仏坐像及び基台)が県指定有形文化財となりました!
県指定有形文化財(彫刻)
○長崎晧台寺の大仏(長崎市)
長崎晧台寺の大仏(毘盧舎那仏坐像及び基台)
基台を含めると6.7メートルを超える壮大な銅造毘盧舎那仏坐像
有形文化財(県指定)
よみがな ながさきこうたいじのだいぶつ(びるしゃなぶつざぞうおよびきだい)
指定年月日 2012年02月24日
所 在 地 長崎市寺町1番1号
所 有 者 宗教法人 晧臺寺
年 代 江戸時代
最寄り駅 電停「思案橋」から徒歩5分
紹 介 HP http://kotaiji.net/
「長崎晧台寺の大仏」は、晧臺寺の大仏殿に安置された銅造毘盧舎那仏坐像である。宝冠をつけた毘盧舎那仏坐像は、時代が降ることもあって、儀軌(ぎき)の制約にとらわれない中国的な像容と理解される。本大仏は、幸いにも第二次世界大戦末期に実施された銅の供出を免れており、長崎の歴史をいくつもの角度から語る起点を提供している遺産となっている。
中国明清文化のうち、仏教文化の移入と深まりを軸に、キリシタン政策においても、黄檗禅に対する曹洞禅の展開においても、あるいは歴史的な鋳成技術においても、本大仏が提示する課題は広がりをみせていることから、長崎の歴史を語る貴重な資料といえる。