水紋石 愛宕山の山腹
長崎市愛宕1丁目にある。清水寺前—愛宕の下り一方通行の車道を行き、小島小の上方位のところから車道が山腹に分岐しているので、入ってすぐ愛宕山頂へ上る石段があり、人家が尽きる5分ほど登る。市貯水タンクのある下側の田中宅左にこの岩面を一部見る。岩水ないし若水大明神はもうない。近所の人の話では、ここに小川が流れていた。長年の水の浸食でできたものであろう。
岩永弘著「長崎周辺”石・岩・陰陽石”」2002年新春刊11頁の説明は次のとおり。
市貯水槽下の田中邸庭の崖で昭和初期、子供たちは「カマボコ岩」と言って良き遊び場所であった。古書に曰く「水紋石は高野平郷小野窪という所にあり。石面自ずから水波の紋ありて描けるが如し。この石のある所に稲荷社あり。若水明神という。※今はない
なお、長崎文献叢書「長崎名勝図絵」71頁の説明は次のとおり。
99 水紋石 高野平の東、小野の窪にある。立ちならぶ岩の石面は、皆自然に水波の紋が表われている。内に稲荷の神祠が祀ってある。岩水大明神という。俗に八兵衛稲荷と呼ぶ。