隠岐の島の巨樹・名木 島前(1) 西ノ島 島根県西ノ島町
西ノ島町指定文化財一覧(平成22年11月30日現在)天然記念物によるデータ(順不同 行程順とした)や、現地説明板は次のとおり。
写真 1〜 3 1 別府のオオバヤドリギ (西ノ島町別府 森宅)
別府の住宅地内。「JA隠岐どうぜん本所」右から奥の通りに入る。ほどなく右手の家角に説明板がある。
西ノ島町指定天然記念物 指定年月日 S61.9.27
オオバヤドリギ 1株 別府 個人 西ノ島町を北限とする暖地性の常緑樹。寄生木はユズリハ
(現地説明板)
隠岐島前の文化財 天然記念物 オオバヤドリギ (寄生木 ゆずりは)
特徴 西ノ島町を北限とする暖地性の常緑樹。革質で広楕円形の葉で裏面は赤褐色。よく枝分かれし、おおばぐみとよく似た寄生木で常緑広葉のしい、かし、やぶにっけい、ゆずりは、つばきなどに着生するが、時には杉、桑などにも着生する事がある。
この木の繁殖には小鳥のキレンジャク、ヒレンジャクが関係している。寄生という特異性のためその数が少ない。生態など特異性があり分布上も注目すべき貴重な植物である。
昭和61年 隠岐島前教育委員会指定
写真 な し 2 別府のオオバヤドリギ (西ノ島町別府 玉川宅)
別府の住宅地内。2の森宅の道路反対側左の家と思われるが、説明板はなかった。
西ノ島町指定天然記念物 指定年月日 S61.9.27
オオバヤドリギ 1株 別府 個人 西ノ島町を北限とする暖地性の常緑樹。寄生木はツバキ
写真 4〜 7 3 判官館跡奥のクスノキ (西ノ島町別府)
別府の海岸通りでなく、町中の太平記通りを黒木御所の方へ行く。別府港から徒歩9分。途中に「隠岐判官館跡」案内標識がある。館跡奥の竹林の中にクスノキがある。
西ノ島町指定天然記念物 指定年月日 H18.1.12
クスノキ 1株 別府 個人 目通幹周4.15m、樹高約28m
写真 8〜 11 4 美田尻のラカンマキ (西ノ島町美田)
黒木小学校がある美田尻バス停から、少し戻った四叉路を北側の山手の道に入る。水場まで行って右へ曲がると、竹山宅奥にラカンマキの木立が見える。バス停から200m。
パンフレットの地図では、後醍醐天皇脱出の際、立ち寄られた庄屋跡?
西ノ島町指定天然記念物 指定年月日 S51.5.20
ラカンマキ 1株 美田 個人 高さ20m、周2.4m、樹令不明
(現地説明板)
ラカンマキ (町指定記念物)
マキ科の常緑樹。樹齢不明。中国原産といわれ、植栽品か? 樹勢も旺盛で樹高20mと生育がよい。庭木・建材・生活用具などに利用される。
写真 な し 5 美田小向区有林のエドヒガン (西ノ島町美田)
美田ダムあたりらしいが、小向区有林の現地は、山道が荒れているので訪ねなかった。
西ノ島町指定天然記念物 指定年月日 S60.9.9
エドヒガン 1株 美田小向区有林 小向区共有
写真 12〜 14 6 焼火山のカゴの木 (西ノ島町美田)
焼火神社は、焼火山雲上寺といわれ、海上安全の神。社殿は国の重要無形文化財。周辺は隠岐固有の植物が群生し、焼火神社植物群は島根県の天然記念物となっている。焼火神社の参道口駐車場まで、別府港から車で20分。神社までは、ここから歩いて400m急な道を登る。
カゴの木は神社方ではなく、駐車場からまっすぐな舗装の切れた焼火林道へ入る。荒れた林道で車は通行できない。途中に牧場跡の看板がある。約1km歩くと、林道左手に西ノ島町教育委員会「カゴノキ」の小さな表示板があり、このすぐ崖上の大木が、町指定「カゴの木」であろう。
西ノ島町指定天然記念物 指定年月日 H2.7.10
カゴの木 1株 美田焼火山 焼火神社 根元周囲3.1m、目通周囲2.7m、樹高10m
写真 15〜 17 7 焼火山のスタジイ・焼火神社のスギ
6のカゴの木上奥の林中へ行ったら、スタジイなどの巨木群があった。焼火神社社殿前の大スギも、町指定ものだろう。
写真 18〜 20 8 福萬寺のタブノキ (西ノ島町赤ノ江)
別府港から西ノ島大橋経由で9.3km。赤ノ江バス停近くの高台に見えるのは神社で、珍崎の方へ少し向かう。右手谷間に福萬寺があり、寺の右側にタブノキが立つ。
西ノ島町指定天然記念物 指定年月日 S51.5.20
タブノキ 1株 赤ノ江 個人 根周り5.5m、目通周囲4m、樹高15〜20m
(現地説明板)
タブノキ (町指定記念物)
クスノキ科の常緑木。樹齢不明。イヌグスともいう。根回り約6m、樹高12m。隠岐の太古の植生を代表する貴重な植物のひとつである。
海藻の「クロキヅタ」について、国指定天然記念物のため特別に載せる。写真23は?
写真 21〜 23 9 クロキヅタ産地(西ノ島町別府湾ほか)
国指定天然記念物 指定年月日 1922.03.08(大正11.03.08)
(西ノ島町観光協会送付資料から。資料名不明)
クロキヅタ
緑藻類のイワヅタ科に属する海藻で、明治43年(1910)に黒木御所近くの海で発見されたことから、この名がついた。海藻とはいえ、胞子によって繁殖する他のものと異なって、ノコ切歯状に伸びた葉茎から新芽がでて増殖するところに特徴がある。
また、この海藻は、紅海が原産地であり、紅海以東の地域では愛媛県の小島と、この隠岐諸島だけに分布している貴重なものである。そのために、大正11年(1922)3月には、国の天然記念物に指定されており、海藻ではわが国唯一の天然記念物指定種である。
隠岐では、黒木御所下の別府湾のほか、海士町の菱浦湾にも見られる。海底では、安山岩の磯をおおう有機物を含んだ泥土に分布する地域に広がっている。水中での葉の色はエメラルドグリーンに似た深緑色で、3cmから60cmにまで伸びる葉もある。