長崎の幕末・明治期古写真考 目録番号:6292 出島スタジオのコロエス ほか
HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。
目録番号:6292 出島スタジオのコロエス
〔画像解説〕 ボードインコレクション
カピタンハウスの門の前と思われる場所で撮影された二人のオランダ人です。左の人物はD.T.クロエス(タイトルは「コロエス」?)であることが分かっています。写真撮影のためでしょうか、チョッキに蝶ネクタイをつけた正装です。ここに写されているテーブルは出島スタジオの写真にたびたび登場します。 -6292-
目録番号:6203 オランダ人と日本人町人たち
〔画像解説〕 ボードインコレクション
なし
目録番号:6294 ピストリウス
〔画像解説〕 ボードインコレクション
なし
■ 確認結果
目録番号:6292「出島スタジオのコロエス」は、データベースのボードインコレクション「画像解説」どおりと思われるが、同じ写真が朝日新聞社「写真集 甦る幕末」1986年発行200頁に掲載されている。
タイトルは「外国人(氏名不詳)。(上野彦馬撮影)」となっている。どちらが正しいのであろうか。いずれにしても、撮影地域は「長崎」であろう。タイトル氏名は要確認。
この項は、次も参照。 https://misakimichi.com/archives/2479
左のオランダ人は、目録番号:6203「オランダ人と日本人町人たち」と、同一人だろう。これは上野彦馬スタジオ撮影か。両作品とも撮影者を調べてもらいたい。
この後わかったが、目録番号:6292「出島スタジオのコロエス」は、長崎大学附属図書館企画・編集「長崎大学コレクションⅡ ボードインアルバム 外国人が見た幕末長崎」2011年発行の16〜17頁に掲載されていた。同解説は次のとおり。
18 クルーズとピストリウス
オランダ領事館の門の前と思われる場所で撮影されたオランダ人。D.T.クルーズ(右)とE.ピストリウス(左)である。このテーブルは出島スタジオ写真にたびたび登場する。
撮影者/A.F.ボードイン 撮影年/1865年頃
サイズ/135mm×120mm 目録番号/6292
20 ピストリウス
オランダ貿易会社(NHM)におけるA.J.ボードインの部下。長崎で領事に任命されたアルベルトおよび兵庫で副領事に任命されたコルトハルスと同じ時期の、明治元(1868)年1月から大阪の副領事を務めた。
撮影者/A.F.ボードイン 撮影年/1865年頃
サイズ/102mm×67mm 目録番号/6294
目録番号:6294「ピストリウス」があり、左の人物は、オランダ貿易会社(NHM)におけるA.J.ボードインの部下「E.ピストリウス」だった。右の人物が正しくは「D.T.クルーズ」。
ボードインアルバムの写真集だけ変更し、本来のデータベースをいつまでもそのままの内容で公開しているのは問題がある。