嵯峨島 (2) 五島市三井楽町嵯峨島
嵯峨島は、三井楽町貝津港から定期船で20分。毎日4往復がある。島は漁業が盛んで他の地区に比べ若者が多い。明治中期、西彼杵から移住した隠れキリシタンを先祖に持つカトリック信者もおり、教会がある。
島の西側には、昭和34年に県の天然記念物に指定されている火山海食崖(がい)が続く。多くの奇岩や海食洞を見ることができ、火山の内部構造を観察できる。
長崎県HP「長崎県の文化財」による説明は次のとおり。
北側の男岳は火砕丘で海岸付近の傾斜が比較的急。一方南側の女岳は小型楯状火山といえる。裾野の緩やかな火山。2つの火山が島の中心地である港附近で接合している。
島内の両火山を一周するコースがある。徒歩約8km、3時間を要する。
嵯峨島火山海食崖 天然記念物(県指定)
よみがな さがのしまかざんかいしょくがい
指定年月日 昭和34年(1959)年5月19日
所在地 五島市三井楽町嵯峨島
管理責任者 五島市
嵯峨島は,福江島三井楽町貝津の西5kmに浮かぶ南北3.3km,東西の最大幅2.3km,面積2.82k㎡のひょうたん形をした小島である。北部に男岳(151m)と,南部に女岳(130m)があり,いずれも玄武岩質の赤色の火山砕屑物が積み重なった噴石丘である。この火山体の西側は海食により削りとられ,火山砕屑物の成層状態や,玄武岩溶岩の貫入する様子が見事に露出している。男岳南部(嵯峨島港の北岸附近)や,女岳南西部のモグリ瀬では,噴石丘形成の初期の火山活動の噴出物であるよく成層した凝灰角礫岩が露出する。噴石丘(臼状火山)の形成過程を知る上で,「新魚目(しんうおのめ)曽根火山赤ダキ断崖」とともに,貴重な地学的資料である。なお,男岳の東方に開いた火口内に散在する火山弾や岩滓中に鏡鉄鉱(赤鉄鉱の結晶)が含まれているのは珍しい現象である。