長崎市最大のイチョウは、茂木玉台寺の木?

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長崎市最大のイチョウは、茂木玉台寺の木?

長崎市鍛冶屋町、大音寺の本堂裏手の墓地内にあるイチョウが、長崎市指定天然記念物となっている。現地説明板は次のとおり。
長崎市の文化財HPは、「長崎市では最大のもの」と解説していないが、現地説明板を読むかぎり、イチョウは大音寺のが市内最大の木であり、天然記念物指定の一要件となったと思われる。

市指定天然記念物 大音寺のイチョウ
指定年月日 昭和51年7月20日  所有者 大音寺
イチョウは、中国原産の落葉潅木で雌雄異株である。日本には鎌倉時代に渡来したと考えられ、寺院の境内に老木が多いことから、僧侶によってもたらされたという。
このイチョウは、長崎市では最大のもので、胸高幹囲3.90m、樹高20m、斜上した枝は東西19m、南北17mの樹形をつくる。樹齢は300年をこえると思われる老木のために、枝の基部から多くの乳房状の突起を出している。この木は雄株で、もちろん「ぎんなん」はならない。
長崎市教育委員会 (平成元年3月設置)

はたしてそうだろうか。長崎市茂木町の玉台寺の境内に大イチョウがある。2008年12月の記事としていた。住職の話では、寛政4年(1782)眉山噴火(島原大変)で多くの人が亡くなり、漂着した死者をこのあたりに埋めた。それを栄養に大きくなった?らしい。

イチョウの紅葉には早かったが、きのう念のため、木の大きさを計測してきた。私の計測のため正確さを欠くが、大音寺のイチョウは、胸高(地上約1.3m)幹囲4.50m、樹高25mほど。
玉台寺のイチョウは、胸高幹囲5.10m、樹高30mほどと思われる。ともに雄株で実はついてない。玉台寺の方が幹囲は大きかった。

茂木町が長崎市に編入したのは、昭和37年(1962)1月。大音寺の木の指定当時、茂木はすでに長崎市内だった。幹囲だけが必ずしも指定の要件ではないだろうが、「玉台寺の大イチョウ」も長崎市天然記念物に指定しないと、茂木地区の人にとっては、片手落ちと感じるだろう。
茂木には、玉台寺の木と対をなす「裳着神社のイチョウ」がある。これは雌株で、2本は「夫婦銀杏」と呼ばれる。胸高幹囲3.80m、樹高20mほどだった。

大音寺のイチョウと、玉台寺のイチョウは、本ブログの次の記事を参照。紅葉時の写真も出てくる。東長崎の教宗寺境内にもイチョウがある。幹囲4mくらいだろう。
出島にしかないという県指定天然記念物「デジマノキ」が、琴海の尾戸町に樹齢140年以上の木が生えていた。これらについても長崎市において正しい調査や計測をし、正確な広報をお願いしたい。

https://misakimichi.com/archives/279
https://misakimichi.com/archives/1599
https://misakimichi.com/archives/2454

https://misakimichi.com/archives/1514
https://misakimichi.com/archives/1524
https://misakimichi.com/archives/2132

同様な例だが、南島原市や島原半島世界ジオパークHPと現地説明板で、北有馬町「面無橋」が日本唯一の自然石アーチ式石橋と記していた。
長崎市本河内高部水源池のダム底に「まぼろしの石橋」が残るなど知らせた。私に返答はなかったが、項目全体の内容や写真が更新されるきっかけとなったよう。

長崎大学附属図書館の「幕末・明治期日本古写真データベース」や、国登録有形文化財「ボードインコレクション」及び同写真集の画像解説に、疑問が多いのも困っている。
文化庁に対し、研究員の配置など含め、長崎大学学長を指導するよう先月、要望した。返答は今もってない。学生に任せた方が研究となり、予算を要せず成果があろう。