長崎の古写真考 目録番号:6075 海上からの出島パノラマ組写真(1) ほか

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長崎の幕末・明治期古写真考 目録番号:6075 海上からの出島パノラマ組写真(1) ほか

HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。

目録番号:6075 海上からの出島パノラマ組写真(1)
目録番号:6076 海上からの出島パノラマ組写真(2)
目録番号:6077 海上からの出島パノラマ組写真(3)

目録番号:6196 海からの出島鳥瞰

(参考写真)
目録番号:3859 梅香崎洋館群と出島(1)
目録番号:5711 梅香崎橋から新大橋を見る

■ 確認結果

最初の古写真は、上野彦馬撮影「海上からの出島パノラマ組写真」の3枚組。出島の左側と中央、そして右側の新大橋が撮影されている。出島新橋は確認できない。3枚の古写真はわかりにくいので、横に並べてみた。
次の古写真は、ボードインコレクション「海からの出島鳥瞰」。同じような出島の光景を撮影している。

疑問とするのは、写真が発明され、露出時間が短くなった湿板写真の時代を迎えていたといえ、当時のカメラと技術ではたして海上、すなわち船の上から、写真をブレることなく撮影できただろうか。
この関係はすでに次で見ている。海上からではなく、どの写真もちゃんと陸上から撮影できる場所がある。
https://misakimichi.com/archives/1870
https://misakimichi.com/archives/1844

上野彦馬撮影「海上からの出島パノラマ組写真」の3枚組と、ボードインコレクション「海からの出島鳥瞰」についていえば、撮影場所は当時の地図どおり、梅香崎橋を渡って青線で矢印をした大浦海岸通りの突端のある地点から撮影できる。出島のちょうど対岸となり、出島が正面を向く。背景には金比羅山、三ツ山、健山、烽火山の山並みが写っている。

梅香崎付近から撮影している参考古写真を2点掲げた。背景の山並みを比べてもらいたい。大浦海岸通りの突端であれば、同じような位置で背景を写せるものと思われる。
現在の写真は、山の見通しが良い松が枝国際観光ふ頭入口の陸橋上から写した。出島はこの写真では中央、長崎県美術館やAIG長崎ビルの後方あたりの位置となる。