長崎の幕末・明治期古写真考 目録番号:1694 飽の浦恵美須神社(3)
HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。
目録番号:1694 飽の浦恵美須神社(3)
〔画像解説〕 超高精細画像データベース
この写真は、英文で「長崎稲佐の景色」と題されている。飽ノ浦神社(恵美須神社)の境内越しに長崎港を遠望している。同じ写真が上野彦馬のアルバム(66-21)にも収蔵されている。明治初期の撮影と思われる。この写真は、日下部金兵衛写真アルバムに収められている写真である。写真の対象は、恵美須神社の境内とその前に和船が係留されている。写真左側に飽ノ浦の集落とその先に岬がある。対岸は長崎市街中心部の海岸線である。左側の山は金比羅山・立山である。その山裾が筑後町の寺院群であり、山裾の先端付近に諏訪神社がある。海岸線は長崎市街中心部の沿岸部の全域が撮影されている。写真左、岬の先の対岸は西坂付近で、左端が梅香崎付近である。神社の向こうの和船の先に、黒い一艘の船が見えるが、その付近が出島である。
〔画像解説〕 メタデータ・データベース
この写真は英文で「長崎、稲佐の景色」と題されている。飽の浦神社(恵美須神社)の境内ごしに長崎港の風景を遠望している。同じ作品が上野彦馬のアルバムにも収蔵されている。明治初年の撮影と思われる。
■ 確認結果
目録番号:1694「飽の浦恵美須神社(3)」の、超高精細画像データベースは〔撮影者:日下部金兵衛〕となっているが、メタデータ・データベースのとおり〔撮影者:内田九一〕である。明治5年
(1872)、天皇の西国巡幸に随行した内田九一が撮影した長崎港の4枚組写真の1枚。
画像解説中「写真左側に飽ノ浦の集落とその先に岬がある。…写真左、岬の先の対岸は西坂付近で、左端が梅香崎付近である」は、「写真の神社左右が飽ノ浦の集落、左奥に水ノ浦、その先に大鳥崎、稲佐崎の岬がある。…写真左、稲佐崎の対岸は西坂付近である」となろう。
パノラマ写真の2枚目ならわかるが、「出島」や「梅香崎」は、この写真のまだ右外で写っていない。
この項は次の記事を参照。現在の写真は、恵美須神社の場所と背景の山並みがわかりやすいパノラマ写真を掲げた。
https://misakimichi.com/archives/1589
https://misakimichi.com/archives/1588