長崎外の古写真考 目録番号:1836 グランドホテル(3)

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長崎外の幕末・明治期古写真考 目録番号:1836 グランドホテル(3)

HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。

目録番号:1836 グランドホテル(3)
〔画像解説〕 超高精細画像データベース
海から海岸通りの東端を望む。中央の石壁の建物はグランドホテル旧館(居留地20番)。このホテルは写真家ベアト(Beato,Felice)ら数人が共同で所有する建物をグリーン夫人(Green,Mrs. M.E.)が賃借し、明治3年(1870)夏にオープンしたもので、6年にアメリカ人建築家ブリジェンス(Bridgens,Richard P.)の設計で改築されたのがこの建物である。22年(1889)に株式会社組織となり、翌年フランス人建築家サルダ(Sarda,Paul)の設計によって、隣接の18・19番に増築されたのが、写真の右手に写っている新館である。堀川の河口を挟んだ対岸、国旗用のポールの立っているのがイギリス海軍物置所、その向こうの桟橋をもつ敷地は太平洋郵船会社(Pacific Mail Steam Ship Company)の貯炭所である。グランド・ホテルは明治3年(1870)の創業、横浜を代表するホテルに成長するが、関東大震災で倒壊した。日下部金兵衛のカタログ番号505番の写真。

〔画像解説〕 メタデータ・データベース
バンド東端と山手方面を望む。グランドホテルは明治6年(1873)8月新装開業の旧館と18・19番の新館からなる。この建物は、フランス人居留地建築家サルダの設計になり、明治20年(1887)に落成した。

目録番号:4369 グランドホテル(7)
〔画像解説〕
バンド東端と山手方面を望む。18〜20番のグランド・ホテル新館・旧館から堀川を隔ててその奥にみえるのはイギリス海軍の物置所。のちに海軍病院の庭園になる。手前の人物が立っているのは、フランス波止場。

■ 確認結果

目録番号:1836「グランドホテル(3)」の、超高精細画像データベースの画像解説では、「海から海岸通りの東端を望む」と説明しているが、次の目録番号:4369「グランドホテル(7)」のとおり、突堤の「フランス波止場から」撮影している。