長崎の幕末・明治期古写真考 目録番号:3842 茂木街道の水車小屋
HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。
目録番号:3842 茂木街道の水車小屋
〔画像解説〕
明治末年に撮影された茂木街道道中の水車小屋。旅人はこの場所で休息したようで、明治初期にも同じ場所での水車小屋の写真が残されている。写されている人物は子供の行水のようである。明治初期の水車と比べると、轍が大きく改良されている。
目録番号: 365 茂木街道(1)
〔画像解説〕
茂木街道は長崎から茂木への街道。写真はこの街道途中にある田上を撮影。田上はこの街道の峠になり、街道の要所であった。
■ 確認結果
目録番号:3842「茂木街道の水車小屋」は、次の目録番号: 365「茂木街道(1)」と同じ場所の水車小屋を、明治末期になって撮影した写真である。建物が変わっているが、黄囲線の部分。水車小屋のすぐ側に下って写している。
明治初期にも同じ場所での水車小屋の写真が残されているという作品を、目録番号: 365「茂木街道(1)」とすると、水車の轍は、撮影の高度差があるため、同じ大きさか、かえって小さくなったように感じる。
目録番号: 365「茂木街道(1)」の作品は、次の記事を参照。新しくわかった古写真もある。
https://misakimichi.com/archives/1521
https://misakimichi.com/archives/1835
https://misakimichi.com/archives/2210
この場所の水車小屋は、誤解が多いため再掲した。茂木街道の明治新道(旧県道)は、2枚目古写真の右外山腹を通る。水車小屋は道途中ではない。谷間へわざわざ下る。
上から眺めるのは良いが、休息所としてはあまり考えられない。左方に街道の道のように見えるのは、実は畑の端や水路なのである。