隠岐の島の巨樹・名木 島後(4) 島根県隠岐の島町
十人十色しまねの旅ガイド「しまねの巨木巡り」隠岐エリアによる説明は次のとおり。所在地図も同HPから(1)に。
写真 1〜 2 16 伊後神社(隠岐の島町伊後)
町指定天然記念物のクロマツ
◆クロマツ(通称:伊後の大松) 幹囲5.3m 樹高25m
概要: こぢんまりとした社に驚くようなクロマツの巨木が平然とそびえるたたずまいは、隠岐ならではの奥深さを感じさせる。海から強風をものともせず永い歳月を生き抜いてきたその姿には圧倒的な生命力があふれ、自然の偉大さを感じずにはいられない。
アクセス: 隠岐の島町中村から国道485号で伊後まで行き(約3.6km)、右手の町道に入るとすぐに伊後公民館があり、そのそばに伊後神社がある。
(注 該当のクロマツは、本年伐採されていた)
写真 3〜 4 17 久見の防風林(隠岐の島町久見る)
◆クロマツ(防風林のうちの1本) 幹囲4.4m 樹高14m
概要: 黒曜石の産地として知られる久見の海岸沿いにかつてあったクロマツ防風林が残ったもの。強い海風になびいて耐え抜いたその姿には、磯馴松(そなれまつ)特有の風格が漂い、永く厳しい歳月を語りかけてくるようでもある。
アクセス: 久見川にかかる清見橋のすぐ西側の道を川沿いに200m入った右側に防風林がある。
(注 該当のクロマツは、数年前伐採されていた。代りに清見橋近く大きなクロマツを写した)
写真 5〜 6 18 北谷神社(隠岐の島町代)
◆クロマツ 幹囲3.6m 樹高20m
概要: 社殿背後の森に、すっくと伸びやかにそそり立つクロマツの姿は実に美しい。こんもりとした小山の神社森には豊かな植生が見られ、散策にも絶好。
アクセス: 五箇から約1.7kmの所。新代トンネルを過ぎて代川にかかる代橋のたもとに鳥居が見える。
(注 該当のクロマツは、5年ほど前に伐採されていた)
写真 7〜 10 19 横山寺(隠岐の島町北方)
町指定天然記念物のイスノキ
◆イスノキ(通称:岳山のイスノキ) 幹囲2.1m 樹高9m
概要: 岳山山中の横山寺の寺域にあるイスノキで、隠岐ではこのような大きなイスノキは他に見あたらない。地表に露出した根をがっしりと下ろした姿は、まるで古代生物のような生命力にあふれている。イスノキはマンサク科の常緑高木で、材は堅く、柱・机・そろばんなどに使われる。また、葉にできる「虫えい」は、中の虫が飛び出したあと深い穴となり、そこを吹とヒョウ、ヒョウという笛のような音が出るため「ヒョンノキ」とも呼ばれている。
アクセス: 一夜ヶ岳神社前の道を五箇方面に行くと国道485号に行く道との分岐点がある。分岐点のところに横山寺があり、数10m左、道路沿いに案内板がある。
(注 横山寺前の車道左30mほど先に、山道入口の標識があるが、倒れていた。水槽がある山道を10分もかからず登るとまた標識があり、右手へまっすぐ横へ6分ほど行くと、説明板とイスノキがある。山道は荒れており、踏み跡を注意してたどらないと、場所がわかりにくい。
横山寺へは、国道485号を山田から現在工事中の郡バイパストンネル手前まで上がり、左折して牧場の中を通りまっすぐ進むと、分岐点で寺前に着く)
写真 11〜 12 20 水若酢神社(隠岐の島町郡)
◆クロマツ7本 幹囲3m〜4.5m 樹高25m〜30m
概要: 隠岐の国一の宮として知られる神社の境内に立ち並ぶ老松群はいずれも樹齢300年を優に超える。その天高くそびえる美しい姿は、格式の高い神域をいっそう気品漂う厳かな雰囲気に包み込んでいる。現在の神社本殿は江戸時代の寛政7年(1795)の再興で、「隠岐造り」の代表的建築として国の重要文化財に指定されている。
アクセス: 国道485号を西郷港から約12km。隠岐の島町原田より約7.6km、郡の手前500mの国道沿いに鳥居が見える。
写真 13〜 15 21 壇鏡神社(隠岐の島町那久)
◆スギ2本 幹囲4.3m 樹高40m、 幹囲5.9m 樹高40m
概要: 那久川上流にある壇鏡神社の鳥居の前にそびえる2本のスギの巨木。樹齢は不明だが威厳に満ちた姿に歴史の重みを感じさせる。このスギは元々神社の境内にあったが、その昔、出雲大社から神殿修理用に境内のスギを要求され、切り出しされるのを免れるために村人が鳥居を動かして大スギ2本を境内の外とし、神社の所有でないこととしたものと伝えられている。神社の両側には高さ約40mの「壇鏡の滝」があり、日本の滝百選および日本名水百選に選定されている。
アクセス: 県道44号の上那久バス停から約4.5km。那久川沿いにのぼり、鳥居をくぐり駐車場に着く。鳥居の両脇にスギの巨木がある。
写真 16〜 17 壇鏡神社へ着く手前の車道左上
◆かぶらスギの大木があり、注連縄を巻いているのを、私が見かけた。
写真 18〜 20 22 屋那の松原(隠岐の島町都万)
◆クロマツ群(通称:屋那の松原) 幹囲3.2m 樹高約25m
概要: 都万川の河口にあるクロマツ群で、「屋那の松原」として日本の白砂青松百選に選定されており、樹齢300年以上の巨木が残っている。隠岐島が江戸幕府の天領であった昔、この地方の役人であった乃木九兵衛が、荒れ果てた河口に新田開発を計画。里人総出で水際に堤防を築いて新田を完成させ、その新田を守る防風林としてクロマツが植えられたものが今に残ったと言われている。
アクセス: 隠岐の島町役場都万支所より約1km。県道44号を釜屋神社の方に入り、舟小屋の前を通って羽衣荘に着く。その横に広がるマツ林。
写真 21〜 22 23 あいらんどパーク(隠岐の島町都万)
◆クロマツ群 幹囲4.74m 樹高25m
概要: 上記22の「屋那の松原」の対岸にあるクロマツ群で、やはり昔の防風林が残ったもの。周囲一帯はさまざまな施設を整備した海辺の遊空間「あいらんどパーク」で、この立派なクロマツ群は、美しい海岸線をいっそう引き立てる一幅の絵のような風情を添えている。
アクセス: 西郷港から約10km。隠岐の島町役場都万支所から約2.5km。県道44号の津戸線分岐から北へ約500mの所の海岸沿いにある。