隠岐の島の巨樹・名木 島後(2) 島根県隠岐の島町
十人十色しまねの旅ガイド「しまねの巨木巡り」隠岐エリアによる説明は次のとおり。所在地図も同HPから(1)に。
写真 1〜 4 6 中村のかぶら杉(隠岐の島町中村)
県指定天然記念物のスギ
◆スギ(通称:中村のかぶら杉) 幹囲9.3m 樹高38m
概要: 樹齢600年と伝えられるこの巨大なスギは、根元から1.5mほどのところで6幹に分かれてそれぞれ空に向かって伸びている。「かぶら杉」という名は、その特異な樹形が昔、開戦の合図や儀式で使われた鏑矢(かぶらや)の先に似ているからとか、大きな「株」が目立つからなどの説がある。昭和の初期までは大小12本の幹があったとのこと。
アクセス: 西郷港から国道485号経由で県道316号に入り、中村方面に向かう途中の中村川沿いにある。新武良トンネルを出てすぐ道路右側。
写真 5〜 8 7 天然林(隠岐の島町布施中村)
「隠岐自然回帰の森」の天然林
◆スギ220本(樹林) 幹囲3m〜5.85m 樹高30m〜40m
◆クロベ25本(樹林) 幹囲3m〜4.5m 樹高30m〜35m
◆モミ10本(樹林) 幹囲3m〜4m 樹高30m〜38m
◆ケヤキ5本(樹林) 幹囲3m〜3.9m 樹高20m〜30m
概要: 隠岐の最高峰・大満寺山(608m)から鷲ヶ峰、葛尾山にかけての一帯は、隠岐有数の豊かな自然が残っている。中でもビッシリと群生したスギの天然林をはじめ、樹齢300年を超える巨木の数々は圧巻である。周辺一帯を「隠岐自然回帰の森」として遊歩道や展望台などを整備。天然林のほか、オキシャクナゲの群落や稀少動植物にも出会えることができ、景観的にも素晴らしいことから、自然愛好派の人気スポットになっている。
アクセス: ●西郷港から…国道485号経由で県道316号に入り、銚子ダムの北にある南谷林道をのぼった所。●布施から…南谷林道と中谷林道の2つのコースがある。中谷林道の終点には駐車場(中谷林道入口から約4.5km) がある。
(注 中谷林道終点の駐車場から遊歩道を15分ほど登る。トカゲ岩展望所の上部に鷲ヶ峰と天然林の展望所がある。この先の道が天然林の中を行く)
写真 9〜 12 8 岩倉の乳房杉(隠岐の島町布施字小山)
町指定天然記念物のスギ
◆スギ(通称:岩倉の乳房杉(ちちすぎ)) 幹囲11m 樹高約40m
概要: 隠岐の最高峰・大満寺山の山中にある岩倉神社の近くに立つ、なんとも不思議な姿をしたスギの巨木である。樹齢は約800年といわれ、主幹は地上4m〜8mのところで15本に分岐。その分岐している部分から大小24コの乳房状の根が垂れ下がっている。地元ではこの乳房杉を御神木とし、母乳の神として崇拝し、毎年4月23日に供え物を運んで祭礼を行っている。
アクセス: 国道485号経由で県道316号に入り、銚子ダムの北にある南谷林道を行くと隠岐の最高峰・大満寺山(608m)の北側の峠に出る。さらに200m程行くと鳥居と案内板がある。布施からは南谷林道を6kmほど登る。
(注 布施から中村へ向かうと、「隠岐自然回帰の森」案内板がある。南谷林道を6kmほど登る。左上に鳥居と乳房杉がある)
写真 13〜 16 9 春日神社(隠岐の島町布施)
県指定天然記念物のクロマツ群とスギ
◆クロマツ3本(樹林)(通称:春日の黒松) 幹囲3.6m〜3.95m 樹高50m〜57m
◆スギ2本(樹林) 幹囲3.2m〜3.9m 樹高40m〜45m
概要: 境内にある見事なクロマツ群は、かつての防風林が残ったものといわれ、いずれも樹齢は350年を超えると思われる。なかでも、かつてクロマツの樹高日本一の折り紙をつけられた巨木は群をぬいていたが、落雷で折れ、切り倒されたあとの根株が境内のあずま屋に展示されており、その巨大さに圧倒される。
アクセス: 布施郵便局の南、県道47号沿い。春日川にかかる春日橋を渡ってすぐ右側に神社の鳥居が見える。
写真 17〜 19 10 荒神さん(隠岐の島町布施)
◆スギ(通称:荒神さん) 幹囲5m 樹高30m
概要: 布施漁港を見下ろす小山の樹木の中でもひときわ目を引く巨木で、地元では「荒神さん」と呼ばれ、根元近くにカズラが幾重にも巻かれて御幣が取りつけられている。荒神さんは「かまどの神」であり、かまどがにぎわうことは暮らしが豊かになるとのいい伝えから、この巨木が神霊の宿る木として人々の信仰のより所となってきたものと思われる。
アクセス: 布施郵便局の正面の道を入って、右手の小高い山の上にある。
(注 鳥居右にあった該当のスギは、5年ほど前に幹から折れた。奥の小さなスギが代わりの神木となっている)