矢上「滝の観音道」の標石

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矢上「滝の観音道」の標石

脇岬観音寺へ至る、脇岬海岸国道上にある元禄10年(1697)「従是観音道」の標石は、「みさき道」の道塚で紹介している。
これは同じ「観音道」でも、矢上にある「滝の観音道」の標石。
間ノ瀬川の中流約2.5kmのところ。平間町に滝の観音は位置し、滝の景観・落差は市内で第一級と思われる。山峡谷間の幽玄郷。普茶料理を味わえる。
昔から諌早家の祈願寺となり、参詣が多く、立派な道標の標石が建った。

参詣道の標石は、まず矢上側国道からの間ノ瀬入口に、「瀧山観音道」の大きな石碑が建つ。25cm角、高さは1.5m。天保12年(1841)の建立。新しく再建されたとも見受けられた。
上写真の右側、低い方である。

次は、松原町の親和銀行保養所「迎仙閣」(ぎょうせんかく)の庭にある標石。
国道からは、JR「肥前古賀駅」の標識から入ってすぐの場所である。
ここは故井上米一郎氏が、先代より継いだ紙業隆盛の頃この地を選び、静寂な住み家として昭和21年建築。没後、銀行が譲り受けた。

見事な庭園の中に据えられている。刻面は4面。「松原乃たきみち」「左長さ紀 松原名 若者中」「瀧観音」「弘化三歳次丙午二月且立焉」と読み取れる。
寸法は23cm角、高さ1m。上部は四角錘。かなり大きく立派な標石であった。
この標石はもともと国道入口にあったのが、20年ほど前ここにとりあえず仮設されているらしい。
近くの道にも他に小さい標石が2本あったが、これは道路工事の時からか、不明となっている。