多良山系黒木のモミの巨木  大村市黒木町

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多良山系黒木のモミの巨木  大村市黒木町

多良山系黒木の奥深い山中にモミの巨木があることは、ずっと以前から話は聞いていた。場所も小川内渓谷の左支沢上部、黒木ケ原岳(標高658m)の尾根斜面らしいと知っていたが、山を失礼していた時期だったから見に行くことはなかった。

Otoji.K氏HP「長崎県の名木」リストの中に次の説明と写真があり、平成20年2月1日訪ねてみた。位置図は同氏HPにある。
他のHPでは、ばってん亀さん「山汗記」の平成13年9月30日記録「噂の巨木」に出てくる。当時は道や標識はほとんどなく、コンパス頼りにより探している。

現在は山道が完全に整備されている。車が黒木から五家原岳登山口の山道入口まで入る。ここが木橋の近く。「大モミの木」標識が要所につけられている。五家原岳横峰越に行く沢を渡った山道を10分ほど行って左に分かれ、小沢を少しつめる。後は500mほど急斜面を登ると、モミの巨木と対面することができる。しかし、かなりハードな登りとなり、30分以上は要する。
根元の長崎森林管理署の説明板によると、この木は幹周り(胸高)563cm、樹高39m、樹齢(推定)230年である。

モミの巨木の近くにケヤキの大木もあり、モミもあと2本立っていた。手前では「イタジイ」の大きな古木を見た。ここまで来る途中の道は、こどもの体験学習に利用されるのだろう、道脇の樹木のほとんどに名札が着けられていて、たいへん参考となる。
下から登って主な樹木名をメモしたら、次のとおりであった。
カツラ・ケヤキ・ヤマザクラ・クマノミズキ・ウラジロガシ・アラガシ・カヤ・ミズキ・ムクノキ・カゴノキ・エノキ・イヌガヤ・サンゴジュ・カラスサンショウ・タブノキ・イスノキ・サカキ・イヌシデ・イタジイ・イイギリ・ツガ

モミの巨木

引地秀司著「多良岳の休日:長崎新聞新書発行」の中に大村市・黒木町の山中にあるモミの巨木が紹介されていた。見たくなった。まだ、山道や森には雪が残っているが、早速、見に行くことにした。
萱瀬ダムの先にある黒木町に向う。多良山系の五家原岳や金泉寺・経ヶ岳の登山道の登口でもある。金泉寺に向う登山道近くの駐車場に車をとめ、少し戻って民家の脇道を通って、民宿やさわがにキャンプ場」がある道に出る。駐車場所の方を振り返ると、多良山系が望めた。最高峰の経ヶ岳がそびえていた。…
五家原岳に向う登山道を進むと、左手の山道との分岐点に着く。… 山道を行くことにした。細い道だ。足を踏み外すと谷底に滑り落ちる恐れもある。どうにか木橋に着く。 
雪の木橋を渡って、左手の五家原岳に向う山道を進む。10分ほど行くと、左手に「モミの木」の 表示板が掛けられてある。浅い川を渡って、印のテープを頼りに小さな沢を登る。15分ほど、何度か沢を横切ったところで、急な斜面を尾根に向って登る。印を頼りに行くも、難所だ!雪が残っていて、ヒンヤリするはずだが汗だくになった。
30分も登った場所に、シイの巨木があった。写真を撮って、少し登ると、遠くにそれらしき巨木が見えた! お目当ての モミの巨木だった。
幹周り5.78m、樹高41m、樹齢350年ほどの巨木と言う。幹にはシダの一種のマメヅタが絡んでいる。見上げて見る姿は圧巻。
幹の下でしばらく休み、急坂を下る。登りより楽であった。…

なお、長崎県生物学会編「多良岳の生物」2001年刊57〜59頁に、宮崎正隆氏稿「多良山系の巨樹・巨木」がある。日本一のモミは、兵庫県篠山市追手神社のモミ(幹周り7.8m)だが、国有林内に限れば、この黒木のモミが最大の巨樹であると記している。
また、長崎森林管理署HPのトピックス2007年12月14日の記事に次があった。

Ⅱ.山中にある巨樹・巨木

多良山系の山中にある日本一のモミ(樅)の巨樹を第一にあげる。黒木ヶ原岳(658m)の尾根から下りた東斜面にあり、林野庁が選定した「森の巨人たち百選」では、国内の山中(国有林)のモミの最大は栃木県日光市の「太郎モミ」(幹周り5.28m、樹高30m)、第2位は宮崎県都濃町の「尾鈴大山神モミ」(幹周り4.71m、樹高27m)とあるが、幹周り、樹高共にそれを上回ったみごとな巨樹である。あまりの大きくてヘリコプターの搬出ができないことから伐採を免れたという。また、一帯にはツガの巨木も点在している。
モミ(マツ科)    幹周り 5.78m  樹 高  41m
ツガ(マツ科)         4.08m        34m
ツガ(マツ科)         3.10m        26m

トピックス 2007/12/14   黒木渓谷を見守る“大モミ”に会いに行こう

12月2日、大村市の萱瀬山国有林において大村市、大村山岳会、黒木地区住民や当署職員等、約20名が参加し、樹高39m、幹周り(胸高)563㎝の“大モミ”までの案内板や樹名板の設置を行いました。
黒木地区の国有林には、萱瀬スギを始めケヤキやモミの巨木が点在していることから「黒木渓谷を見守る巨木に会いに行こう」と題して、巨樹・巨木を広くPRし、市民や登山客等に親しみをもってもらおうと行ったものです。
当日は職員手作りの案内板等を設置。作業終了後は全員で大モミの前で記念撮影をし、まだ紅葉が見られる景色に疲れを癒しながら下山しました。