塚崎古墳群 肝付町野崎
鹿児島県教育委員会HPの「鹿児島県の文化財」による説明は、次のとおり。
塚崎古墳群
【所 在 地】肝属郡肝付町野崎 2238 他
【種別】国指定史跡
【指定年月日】昭和 20 年2月 22 日
高山町市街地から波見方面にいたる県道を約 2.3kmほど行った畑の中に点在する古墳群である。
古墳群は,塚崎と花牟礼の両地区にまたがり,前方後円墳4基,円墳 39 基の合計 43 基で構成される。最大のものは第 40 号の前方後円墳で,全長 66.5m,後円部の高さ9 m,墳丘には葺石が認められる。円墳で最大のものは第 43 号墳で,直径40m,高さ 6.5m である。また,第1号墳は直径 15m,高さ 3.3m の円墳で,墳丘のクスの大木は,国の天然記念物に指定されている。
畑の中の古墳の中には,永年の耕作などによって周囲が削り取られて方墳のようになったものがあるが,もともとは円墳である。この付近には,吾平・高山地方に多く分布する地下式横穴墓も点在しており,塚崎古墳群内だけでも 10 基程度あるといわれる。北薩地方に見られる地下式板石積石室墓などとは全く異なった形式で,明らかに異なる文化圏に属している。
塚崎古墳群は古墳時代前期・中期・後期の各時期を網羅しているといわれている。古墳時代は,3世紀後半から7世紀までである。しかし,南九州の畿内型の古墳は大和地方からすると約1世紀のずれがあり,南九州の前期の古墳は5世紀頃のものといわれている。
古墳は高塚古墳(墳丘をもつもの)と地下式古墳に大別され,高塚古墳は形状により,前方後円墳,前方後方墳,円墳,方墳,上円下方墳,その他に分けられる。南九州では前方後円墳と円墳だけが分布している。