富川渓谷のカツラ  諌早市富川町

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富川渓谷のカツラ  諌早市富川町

諫早市の中心街から北におよそ12km。多良山系の奥深く入った本明川の一支流に富川渓谷がある。富川の森林は、豊富な植物群が自生し自然環境も美しく、「諌早の奥座敷」として親しまれている。
富川渓谷には、元禄時代の大洪水、大旱害を契機に、天下泰平と死者の供養を祈願して岩肌に刻まれた県指定史跡の五百羅漢がある。磨崖仏としては、県下随一のものといわれている。不幸にしてまた昭和32年7月25日、1日900ミリ以上という集中豪雨により539人のいたましい犠牲者を出した諌早大水害もここが源であった(市HPから)。

県指定天然記念物「富川のカツラ」のある所は、渓谷からさらに700mほど森の吊橋や右岸・左岸の遊歩道を伝いながら登る。上部の林道と出合い、万年の森入口となる富川橋のたもとに説明板が建ち、カツラの木が橋上から見える。現地説明板は次のとおり。

県指定天然記念物  富川のカツラ  昭和40年5月31日指定

カツラは北日本系の代表的な落葉高木で、白樺などと共に繁茂していますが、県内では多良山中に自生しているのみです。
このカツラは根回り8〜9m、高さ約10mを測り、諌早のような比較的暖かいところに自生し、しかも、このように大きくなっているのは大変珍しいことです。
根元から多数の若木が萌え出ているところから、地元では「千本木」の名で親しまれています。
このカツラの若木をとったり、傷をつけたり、また火災を出したりしないように大切にしましょう。
長崎県教育委員会 諌早市教育委員会 平成5年3月建

なお、長崎県生物学会編「多良岳の生物」2001年刊57〜59頁に宮崎正隆氏稿「多良山系の巨樹・巨木」がある。この中の説明は次のとおり。

Ⅲ.諌早市富川のカツラ

県指定天然記念物(昭和40.5.31指定)    幹周り7.55m、樹高11m
根元から多くの幹が生えているため、土地の人はこの木を千本木といい、この千本木がこの土地の地名にもなっている。カツラは北日本の代表的な落葉高木で、県内では多良山中に稀に自生しており雲仙には自生しない。暖かい九州の西限に分布し、しかもこれほど大きくなっているのは大変珍しい。