長崎の幕末・明治期古写真考 マンスフェルト集 35P 茂木の庄屋屋敷前の「木の下」にて
HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。
長崎大学コレクション外編Ⅰ「マンスフェルトが見た長崎・熊本」
第三章 茂木 35P 茂木の庄屋屋敷前の「木の下」にて
茂木の元庄屋森岡平左衛門の屋敷(現茂木郵便局)前の海岸に立つ木の下でくつろぐマンスフェルト一行の人夫たち。まだまげを結っている男性が多い。次ページの写真とあわせてみると、一行は茂木滞在中、この元庄屋宅を宿舎にしたように思われる。熊本からの旅行中であろうか。
016 1872年頃 マンスフェルトか サイズ/205mm×156mm 大
目録番号: 6282 農夫たち(2)
〔画像解説〕 ボードインコレクション
ボードイン博士が長崎郊外の散策中に出会った「物売り」の行商人たちです。竹籠のなかには人参、ネギ、菜っ葉、魚が見えます。茂木方面から長崎に向かう行商人ではないでしょうか。足に脚絆を巻き、履物は地下足袋と草鞋です。天秤棒は竹からできています。ボードイン博士の撮影依頼に応じた笑顔が少しこわばっているのが印象的です。 -6282-
■ 確認結果
長崎大学附属図書館企画・編集の長崎大学コレクション外編Ⅰ「マンスフェルトが見た長崎・熊本 古写真で見る近代医学校の成立」が、長崎文献社から2012年10月発行された。
35P「茂木の庄屋屋敷前の「木の下」にて」は、木の背後に薄く写る山が、茂木の汐見崎の稜線と同じだから、撮影場所は「茂木の元庄屋森岡平左衛門の屋敷(現茂木郵便局)前の海岸に立つ木の下」に間違いないと確認できる。
ふと思い出したのは、長崎大学データベースの目録番号: 6282「農夫たち(2)」(目録番号:6281「農夫たち(1)」も同写真)の人物。ボードインコレクションにあり、「ボードイン博士が長崎郊外の散策中に出会った「物売り」の行商人たちです。…茂木方面から長崎に向かう行商人ではないでしょうか。…」
35P「茂木の庄屋屋敷前の「木の下」にて」の右端2人を拡大した。顔・ポーズとも似ているようでもあり、余談として人物の確認をお願いしたい。