謎の隧道遺構 トンカラリン  熊本県玉名郡和水町

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謎の隧道遺構 トンカラリン  熊本県玉名郡和水町

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』による解説、及び現地説明板は、次のとおり。
江田船山古墳公園入口前の県道反対側の山手にある。タンタン落しと呼ばれる開口部周辺(写真なし)から始まり、丘上の鶯(菅?)原神社の手前に出て一連のトンネルは終わっている。
和水町HP観光マップ〔29〕の記事も参照。  http://map.kumamoto-net.ne.jp/nagomi/

トンカラリン

トンカラリンは、熊本県和水町にある隧道(トンネル)型遺構である。江田船山古墳(国の史跡)がある清原(せいばる)台地に位置し、全長は464.6メートル、自然の地隙や人工の石組暗渠で構成されている。「トンカラリン」の名称は、穴に石を投げ込むと「とんからりん」という音が聞こえることからつけられたという説と、朝鮮語由来という説がある。[1]

建造目的
トンカラリンに関しては民間伝承もなく、排水路説、古代信仰遺跡説、朝鮮的信仰遺跡説などの諸説があるが、未だに定説はない。熊本県教育委員会は1974年に現地調査を行い、1978年3月に「近世の排水路」との調査報告書を一旦は発表したが、用水路説と信仰遺跡説も検討すべきと将来の検討にゆだねている。[2]2001年に同教委と当時の菊水町教育委員会が再調査し、「排水路」にしては不都合な点が多すぎるとして、現在は再び「謎の遺跡」とされている。この調査では第2のトンカラリンが2001年に発見され[3]、さらに第3、第4のトンカラリンが埋蔵されている可能性も指摘されている。

1975年5月にトンカラリンを訪れた[4]作家の松本清張は、魏志倭人伝の一節からトンカラリンが邪馬台国の卑弥呼の鬼道であるとの説を唱えた。この説の発表は、トンカラリンの存在が広く知られるきっかけとなった。[5]

トンカラリン シンポジウム
2001年10月29日に、菊水町 現和水町(なごみまち)における熊本県県民文化祭において、トンカラリン シンポジウムが開かれ、当時までの研究が総括された。[6]井上辰夫筑波大学名誉教授、古閑三博熊本県文化財保護審議会委員、飯田精也、大田幸博、井上智重、出宮徳尚が出席した。井上辰夫は穴に潜って出ることは俗から正、死から正への転換で、トンカラリンはこの秘儀と結びついているだろうと述べた。古閑、飯田は地裂は地震でなく、雨でも起こることを述べ、排水路説を否定、大田も地裂を重要視、出土遺物を検討しその使用は江戸時代の初期を下限とすると述べた。上限は中世とした。

広島のトンカラリン 広島県東広島市安芸津町三津信僧にも同名の隧道型遺構が存在するが、これは、熊本のトンカラリンにちなんで名付けられたものである。

文 献
・古閑三博 『夢、甦る 謎の隧道(ずいどう)遺構トンカラリン』1994 三弘会
・古閑三博 『続(しょく)夢、甦る 謎の隧道(ずいどう)遺構トンカラリン』2003 三弘会

謎の隧道遺構  トンカラリン

菊水町・瀬川鶯原神社近くから始まるこの遺構は、全長445.6mでトンネル状の地隙や、地下道のような石組み暗渠等が組み合わさった実に不思議な構造物である。
昭和五十年代に、作家の故松本清張氏が現地を調査して、邪馬台国が記された『魏志倭人伝』(三世紀に書かれた中国の歴史書)の一節から、『シャーマニズムに関係した鬼道ではないか』と推論したことで、全国的にその名が知られた。しかし、その後の『排水路説』により、ブ−ムは沈静化へ向かった。
再び、トンカラリン論争が甦ったのは、県北部を襲った平成五年六月の集中豪雨以降である。この時、県北の排水路が甚大な被害を受けたが、トンカラリンには一切の被害が無く、それは大した水が流れなかった事を意味していた。そこで、農業土木の見地から、今一度、詳細な再調査が行われる事になった。結果として排水路説には、余りにも矛盾が多いことが判明したのである。
(1)上部の台地面積が狭いので、流れ出す雨水量は少なく、谷部に、大規模な排水路を造る必要がない。雨水を取り込みやすいオープンカッ卜の素掘り溝で十分である。
(2)今日、トンカラリンを築いた場合、工事費の積算額は、二億円近くにもなる。これに見合うだけの経済効果を見い出せない。
(3)排水路は、できるだけ連続的な造りが望ましい。しかし、トンカラリンは、実に数多くの湾曲箇所を伴って蛇行を繰り返している。
(4)石組の構築物に、災害箇所(地隙)が取り込まれており不自然である。排水路施設は、この様な造りをしない。
(5)地隙内に積まれた切り石や、石組み暗渠下部の変化点における角部の整形など、排水路に不自然な飾り箇所がある。面取りされた切り石は常に闇の中にあり、角部には則られて、丸みを帯びている。
この様に、トンカラリンは再び、我々に問題を投げかけるのです。皆さんも、是非、この謎解きに挑戦して下さい。     和 水 町

階 段
石の階段7段がある。のぼりつめれば70センチ四方のあまりの石の隧道となり人は這って通りぬけることができる。横穴式石室との類似を指摘する説もあるがよく判らない。
小さな土師器片が発見されたが今のところ出土品はない。