面河渓 愛媛県上浮穴郡久万高原町
国指定文化財等データベース及び愛媛県の文化財による解説は、次のとおり。
名称: 面河渓
ふりがな: おもごけい
種別1: 名勝
指定年月日: 1933.02.28(昭和8.02.28)
追加年月日: 1937.12.13(昭和12.12.13)
指定基準: 五.岩石、洞穴,六.峡谷、爆布、漢流、深淵
所在都道府県: 愛媛県
所在地(市区町村): 上浮穴郡久万高原町
解説文:
面河川本流ノ上流ヲナセル石鎚山南麓ノ溪谷ニシテ其大部分ハ堅緻ニシテ粗キ節理ヲ有セル石英閃緑岩ヨリ成リ溪間致ル處ニ斷崖壁立シ危険聳峙シ岩石美ニ富メルノミナラス満山原始ニ近キ大森林ヲ以テ蔽ハレ溪流ハ水清ク流急ニシテ所々ニ瀑布ヲナシ深潭碧淵其ノ間ニ交錯シテ景觀ノ變化ニ富ミ稀ニ見ルノ峽谷美ヲ構造ス就中、関門屏風岩兜岩鎧岩等ノ絶壁ト御來光瀑霧迫瀑熊淵紅葉淵等ノ瀑布淵潭ハ局部的景勝ノ尤ナルモノナリ
(愛媛県解説)
面河渓は、節理が見られる岩石、それに屏風岩・兜岩・鎧岩などの絶壁、御来光の滝・霧迫滝などの滝、紅葉淵の深淵など変化に富んでおり、その渓谷美をいっそう引き立ててみごとである。渓谷は、モミ、ツガ帯と呼ばれる中間温暖林で、植物相や動物相にも恵まれ、春の新緑、秋の紅葉は全国的にも有名である。
渓谷をうるおす清水の一部は、昭和38年(1963)に建設された笠方ダムに集められ、発電用水・農業用水に利用されている。
面河の名は、天明年間(1781〜1789)松山の円光寺の僧明月の断簡に「面子」と見られるのが最初といわれている。