長崎名勝図絵の風景 10 正 覚 寺
「長崎名勝図絵」は、長崎奉行筒井和泉守政憲の命を承け、当時長崎聖堂助教で儒者であった、西疇 饒田喩義強明が、野口文龍渕蔵の協力を得て編述し、これに画家の竹雲 打橋喜驚惟敬の精緻な挿絵を加え、完成したもので、執筆は文化、文政年間(1804−1829)であったと思われる。平易に読める文体に書き改めた詳訳が、丹羽漢吉先生の訳著によって、長崎文献社から長崎文献叢書第一集・第三巻「長崎名勝図絵」として、昭和49年(1972)2月発行されている。(発刊序から)
本ブログ「長崎名勝図絵の風景」は、主な図絵について現今の写真と対比させる試み。デフォルメされた図絵が多く、現在ではそのとおりの風景はほとんど写せない。おおかたがわかる程度の写真として撮影している。解説は詳しく引用できないので、図書を参照していただきたい。
長崎名勝図絵 巻之二上 南邊之部
103 光寿山正覚寺 (文献叢書 71〜74頁 所在地 長崎市東小島町)
小島村の内にある。初めは芊原 今の新橋町の上、浄安寺、三宝寺のある所。にあった。慶長9年(1604)僧道智が創建。西本願寺の末寺。…慶長9年(1604)9月、正覚寺の号を授けられた。それでこの年を以って、開創の年とする。これが長崎の佛寺再興の始めである。…延宝4年(1676)小島郷の今の地に移り、…境内1,303坪。この地はもと蓮池庵という。明人陳氏智光の立てた庵があった。…