幸 仏 橋 諌早市多良見町野川内
諌早市多良見町野川内に、小さいが珍しい石橋がある。長与から行くと松ノ頭トンネルを越え、伊木力へ下る県道33号線の中間ほどに「幸仏」(こうぶつ)というバス停がある。その下の谷間の川に架かる。
ここにコンクリート橋が2つある。小さな方の橋の欄干のすぐ下流側の下に並んで、写真のとおりアーチの石組みのみ残す古い石橋。この道は往時、大村から伊木力へ船で渡った大村殿様の「長崎往還道」道筋のようである。
多良見町「多良見町郷土誌」平成7年刊771頁による説明は次のとおり。
4 幸 仏 橋
町内に残る唯一の石造りアーチ橋である。橋造り職人の作とは思われない。割石を組んだだけの素朴な橋である。
なお、HP「長崎県の石橋を訪ねて」による説明は次のとおり。
第 149 番 幸 仏 橋 西彼杵郡多良見町野川内郷
年代は不詳(江戸時代と言われる) 長さ 約3.5m 幅員 約1.3m
大村藩の殿様道(長崎往還)に架かっていた橋だといわれる。
橋のすぐ上にお住まいの、前川さん(68歳)にうかがうと、この橋は往還であり、琴ノ尾岳の烽火台に、向かう大切な橋だそうで、前川さんの祖父の時代にはすでにあったそうだ。
大村のお殿様は、諫早領を通るのを嫌い、大村湾を渡って伊木力船津の海岸から、この橋を渡り長与・川平経由で長崎に赴いたと言われる。
〜県の河川課川内係長の情報で多良見町社会教育課の荒木氏から教えていただいた。