長崎の古写真考 目録番号:4879 諏訪神社(4) ほか

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長崎の幕末・明治期古写真考 目録番号:4879 諏訪神社(4) ほか

HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。

目録番号:4879 諏訪神社(4)

目録番号:3253 諏訪神社(2)
〔画像解説〕
明治中期(1887)頃の手彩色の写真。秋のくんちの踊り馬場から参道入り口方面を見た写真。三つの鳥居が重なって見える。明治中期の、諏訪神社参道の風景。

■ 確認結果

目録番号:4879「諏訪神社(4)」と、次の目録番号:3253「諏訪神社(2)」は、同じ写真である。後者の画像解説は「大鳥居」。解説を入れ間違えている。
青銅馬を写したこの写真は、〔撮影者:上野彦馬〕のように思われるが、違うところがある。

上野彦馬撮影の写真は、馬場章氏編「上野彦馬歴史写真集成」渡辺出版2006年刊55頁に、「42.諏訪神社」として掲載されている。同解説は次のとおり。
42.諏訪神社
上野撮影局近くに鎮座する諏訪神社。江戸時代初期に造営された鎮西大社諏訪神社は安政4年(1857)に火災で焼失し、明治2年(1869)に新社殿が再建された。No.94も同神社の写真。
撮影者 上野彦馬  撮影・流通年 明治3年(1870)頃  所蔵者 学校法人産業能率大学

画像を比べると、上野彦馬撮影は撮影の向きが少し左へ寄っている。青銅馬などに蔭がない。拝殿後方左の木立も繁り方が少し違うようである。
目録番号:4879「諏訪神社(4)」は、画像の鮮明さから、〔アルバム名:上野彦馬(?)〕のとおり、上野彦馬作品とも考えられるが、今のところ、何とも言いようがない。

諏訪神社境内案内による「神馬像」の説明は、次のとおり。最後が現在の北村西望作「神馬像」
神馬像(しんめぞう)
(現在ある神馬像は)平和祈念像の作者故北村西望氏102歳時の作です。昭和59年第16回日展に出品され、昭和天皇の御在位60年を記念して昭和60年10月に奉納されたものです。
そもそも当神社には、明治3年に三菱重工業長崎造船所の前身である長崎製鉄所より創業記念として神馬像が奉納されておりましたが、大東亜戦争時に国へ供出され、それ以来神馬像は姿を消しておりました。
故北村西望氏の奉納に際し、長崎の歌人 故池田可宵氏は次の俳句を残されました。
「諏訪の杜 神馬もどりて 竹の春」