長崎外の古写真考 目録番号:3975 渡し舟(4) ほか

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長崎外の幕末・明治期古写真考 目録番号:3975 渡し舟(4) ほか

HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。

目録番号:3975 渡し舟(4)
〔画像解説〕
九人の男性を乗せた渡し舟が川岸を離れようとしている。船には人力車も乗せられている。渡し場には材木や、荷駄を積んだ二頭の馬、大勢の人の姿が見える。背後には四、五軒の藁葺き屋根の家が建っている。

目録番号:4068 渡し舟(5)    (同写真 掲載略)

■ 確認結果

目録番号: 629「渡し舟(1)」、目録番号:4886「渡し舟(7)」は前掲。この記事の目録番号:3975「渡し舟(4)」と、目録番号:4068「渡し舟(5)」(同写真 掲載略)も、場所は東京の多摩川下流「川崎・六郷の渡し」。〔撮影者:F.ベアト〕ではないだろうか。この項は次の記事を参照。
https://misakimichi.com/archives/2757
https://misakimichi.com/archives/2617

歌川広重 保永堂版より「川崎・六郷の渡し」は、”web浮世絵”から。北斎・広重の浮世絵と東海道の古写真ーその3 に、「1860年代「川崎六郷の渡し」ベアト撮影」とした写真があり、「川崎・六郷の渡し」とわかった。長崎大学データベースでは、目録番号:3975「渡し舟(4)」の作品。

ただ、「ベアト撮影」とする確認が取れなかった。このたび、古写真集「異国人の見た幕末・明治
JAPAN」新人物往来社2005年刊76頁に、「渡し舟」として掲載されていることがわかった。
同解説は次のとおり。
渡し舟  渡し舟は村と村を繋ぐ重要な水上交通の手段であった。人や荷物を運ぶだけではなく、写真のように車や、牛などの動物の運搬にも役立っていた(ベアト撮影/着色)