長崎外の幕末・明治期古写真考 目録番号: 629 渡し舟(1) ほか
HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。
目録番号: 629 渡し舟(1)
〔画像解説〕
人や荷物を大量に運ぶ事のみを目的とする平底の渡し舟。船頭が前後に1人ずつ長い竿を操っている。乗船者全てが髷を結っているので、幕末から明治初期の頃と考えられる。場所不明。
目録番号:4886 渡し舟(7)
■ 確認結果
目録番号: 629「渡し舟(1)」と、次の目録番号:4886「渡し舟(7)」は、同じ写真である。場所は東京の多摩川下流「川崎・六郷の渡し」と思われる。
この項は次の記事を参照。 https://misakimichi.com/archives/2617
〔撮影者:F.ベアト〕ではないだろうか。(掲載を略したが、目録番号:3975「渡し舟(4)」、目録番号:4068「渡し舟(5)」も、ベアト撮影のため後掲する)
小沢健志氏編「新版 写真で見る 幕末・明治」世界文化社2000年刊219頁に「村の渡し舟 1860年代 ベアト」として掲載されている。同解説は次のとおり。
村の渡し舟 1860年代 ベアト
渡し舟は村と村を繋ぐ水上の足として、住民や物資の運搬に重要な役割を果たした。写真では大勢の人々が見られるが、実際には定員があり、こんなには乗せられなかったようだ。