長崎の古写真考 目録番号: 787 お茶と煙草でくつろぐ女性たち(1)  ほか

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長崎の幕末・明治期古写真考 目録番号: 787 お茶と煙草でくつろぐ女性たち (1) ほか

HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。

目録番号: 787 お茶と煙草でくつろぐ女性たち(1)
〔画像解説〕
ベアト撮影。「お茶と煙草後の日本人女性のグループ」と題されている。これは上野彦馬の写場で撮影されたものである。人物は彦馬ゆかりのものであろう。

目録番号: 788 お高祖頭巾の女性(4)
〔画像解説〕
ベアト撮影。「夜の衣装」と題されている。これは女性の夜の外出着を撮影した者である。お高祖頭巾、和傘、提灯が特徴的である。提灯の紋所は「桔梗の二引き」とよばれる上野家の家紋である。

目録番号: 789 中国人女性アーヒン
〔画像解説〕
ベアト撮影。「中国人女性アーヒン」と記されている。ベアトが長崎で撮影した写真のなかに含まれているが、朝日新聞社『甦る幕末』は「おもちさん、ルドルフ・リンドウスイス領事の妻」と解説している。

目録番号: 790 長崎奉行
〔画像解説〕
ベアト撮影。「長崎の奉行」と記されている。この奉行は文久3(1863)年5月、目付・小納戸頭取から長崎奉行に着任し、慶応2(1866)年1月に離任した服部長門守(常純、左衛門左)である。

目録番号: 791 日本の商人と子供
〔画像解説〕
ベアト撮影。「日本人の商人と子供」と記されている。場所は椅子の形状、敷物の柄、床の様子から明らかに上野彦馬の写場である。これらの人物は彦馬ゆかりのものであろう。

目録番号: 778 椅子と女性(1)
〔画像解説〕
ベアト撮影。「Kかささん」と記されている。ここは上野彦馬の写場である。そのことは椅子の形状と床の様子からわかる。若い女性は左手を椅子に軽くかけ、右手に扇を持っている。

目録番号: 782 女性と長火鉢
〔画像解説〕
ベアト撮影。「お茶と火鉢の側の日本女性」と記されている。女性は整理番号7-18の「かささん」と同一である。床の様子から、これも上野彦馬写真館の写場で撮影されたものであろう。

■ 確認結果

目録番号: 787「お茶と煙草でくつろぐ女性たち(1)」など5作品は、いずれもベアト撮影。目録番号: 791 のタイトルは、正しくは「日本人の商人と子供」か?
長崎大学附属図書館HP「古写真仮想展示会」には、次のとおり解説している。撮影場所は「上野彦馬の写場」などである。目録番号: 790「長崎奉行」と同じく、〔撮影地域:長崎〕となろう。

ベアトによる長崎写真  1864-66年

ベアトは1枚目に「お茶と喫煙をすませた日本の女性たちの集団」と記している。場所は上野彦馬の写場である。2枚目は「夜の装束」と題しているが、紋所は「桔梗の二引」(上野家の家紋)である。女性は上野彦馬の姉妹の一人であると思われる。3枚目は「中国の女性ア−ヒン」、4枚目は「長崎の奉行」と記されている。5枚目は上野撮影局の写場で撮影された「日本の商人と子供」である。この一連の写真からベアトと彦馬の直接の交流が明白である。

このリストにないが、後の目録番号: 778「椅子と女性(1)」と、目録番号: 782「女性と長火鉢」も、「上野彦馬の写場」で撮影されたものであろう。