長崎外の幕末・明治期古写真考 目録番号:2136 杉並木を行く駕籠 ほか
HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。
目録番号:2136 杉並木を行く駕籠
目録番号: 834 駕籠道中
〔画像解説〕
ここに見える駕籠は、山駕籠という粗末なもの。背景の杉並木は、日光か箱根のものであろう。駕籠の行列が、街道の道筋とは異なっているのが不自然である。恐らく撮影のための演出であろう。
目録番号: 211 箱根街道の駕籠道中
〔画像解説〕
箱根元箱根の杉並木に並ぶ山駕籠と雲助の行列で、何度も複製されて、箱根の雲助の写真として有名だが、最初の写真はネガ番号から日下部金幣の撮影と思われる。いかにも、土産用に作られた不自然な配列である。
■ 確認結果
目録番号:2136「杉並木を行く駕籠」と、次の目録番号: 834「駕籠道中」は同じ写真である。
2作品は、3枚目の目録番号: 211「箱根街道の駕籠道中」と同じような構図で撮影されている。箱根街道の風景ではないだろうか。杉並木は似ている。
撮影者は要調査。「日下部金幣」は「日下部金兵衛」か。横浜の弁天通に開設した写真スタジオが「金幣写真」。