兵底の古墓 長崎市三川町
長崎市北部の山、帆場岳と天竺岳の鞍部にある三川町兵底(ひょうそこ)。6軒の集落である。現在、長崎南山高校の総合グランドができている。道端で会った地元山崎さんから「ラグビー・サッカー場上の高台に珍しい古墓がある」との話を聞き行ってみた。
自然石を立てた「勇大神」を祀るところの下の広い草場の斜面に、この古墓の群があった。40基ほどが見事に間隔を置いて林立している。近頃の墓地では見当らない光景である。話では士たちの墓らしい。もう1つの大村藩殿様道がこの脇を通り、帆場岳の山腹を行ったとも聞いた。
林正康著「長崎県の山歩き 新版」葦書房2000年刊の帆場岳の項94〜95頁は次のとおり。
…兵底には現在六軒の家が、平家落人の伝説を守って岩戸大権現を祀っています。平成元年(一九八九)に八百年祭をあげ、お堂を改築しました。
ここはまた、土地の人が”とのさまん道”と呼ぶ道があります。これはかつての長崎村西山口から大村へと続く昔の道で、大村純忠や長崎甚左衛門も通ったのではないかと想像されます。付近には四〇基をこす古い無縁仏の墓石が見られます。
サッカーコートの上部にあるヒノキ林の中を通る”とのさまん道”を登ると、林道に出て道は四つに分かれています。
左から一番目の道は、”とのさまん道”で恵の丘へ続いています。…