長崎外の幕末・明治期古写真考 目録番号:2647 藤棚のある茶店(1)
HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。
目録番号:2647 藤棚のある茶店(1)
〔画像解説〕
東京で藤の名所と言えば亀戸天神である。石灯籠が亀戸天神の写真4511の右端に写るものと酷似していること、背後には池があるように思えることなどから、亀戸天神境内の茶店と思われる。しかし確証はない。明治中期の撮影であろう。
目録番号:4511 亀戸天神の藤棚(16)
〔画像解説〕
心字池に張り出した藤棚の下で、藤を眺めながらお茶で寛ぐ。大宰府と亀戸は共に菅原道真を祭神とするが、梅の大宰府天満宮に対し藤の亀戸天満宮と呼ばれる。菅原道真は学問の神様として受験生に最も頼りにされ、受験シーズンには境内は絵馬で溢れる。
目録番号:4261 亀戸天神の藤棚(13) 目録番号:6689 同(16)は同じ作品
〔画像解説〕
昔この地は亀に似た形状の島だった。やがて陸続きになり「亀村」ができ、そこに掘られた井戸が「亀ノ井」と呼ばれた。その後、亀村と亀ノ井が混同され「亀井戸村」と呼ばれるようになった。江戸期には井が抜けて「亀戸村」となったそうだ。亀が付くので亀を放つ人が多かったらしい。現在池には亀が多く、外国産のアカミミガメが大勢を占めている。
■ 確認結果
目録番号:2647「藤棚のある茶店(1)」は、「石灯籠が亀戸天神の写真4511の右端に写るものと酷似していること、背後には池があるように思えることなどから、亀戸天神境内の茶店と思われる。しかし確証はない。…」と画像解説している。
「石灯籠」は、2枚目の目録番号:4511「亀戸天神の藤棚(16)」右端のとおり。あと1つ、確証となるようなもの。目録番号:2647「藤棚のある茶店(1)」の左側にある「木橋」。
3枚目の目録番号:4261「亀戸天神の藤棚(13)」が、同じような造りの「木橋」で、しかも「石灯籠」が同じ場所に立っているようだ。