大願王 愛宕山頂神社すぐ下
長崎市の中央部、愛宕山頂(標高224m)の愛宕神社すぐ下にある。風頭山バス停から玉木女子短大の横道へ入ると、尾根通しに山頂直下の鳥居参道まで難なく行ける。山頂まであと「一丁」の石柱あり。これを少し登ると右手に赤い鳥居があり、前面の立った巨石に「大願王」と刻まれているのがすぐわかる。石は全横1.4m、高さ3.1mあった。彫っている字が太く、一角70cmほど。
岩永弘著「長崎周辺”石・岩・陰陽石”」2002年新春刊39頁による説明は次のとおり。
愛宕山頂への道途中。高さ3m程もある巨石に「大願王」と太く彫り込まれている。
此の「大願王」については、小島ふれあいセンターだより(小島地区石碑巡り・竹内光美氏)で次のように紹介している。
「大願王とは地蔵菩薩のことで、大願を成就させる仏で、特に日本では子供たちの行く末を見守る仏として信仰され、願成寺の本尊であった。この碑の由来は唐商、魏之琰の二代目、魏道偉(日本名・鉅鹿清兵衛)が酒屋町に住んでいたが、元禄十三年(1700)娘カツが大病を患い、市中の医者より見放され、必死の状態を仏に祈願したところ、病気平癒となった。これを感謝し、岩に大書を刻み、正徳元年(1711)奉納したものである」