長崎外の幕末・明治期古写真考 目録番号:3618 桜咲く川辺り
HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。
目録番号:3618 桜咲く川辺り
■ 確認結果
目録番号:3618「桜咲く川辺り」は、写真右側に写る常夜灯に特徴がある。場所は、東京隅田川「向島墨堤」の花見風景である。
「墨堤の常夜灯」は、明治4年に作られ、隅田川では大変有名だった。もともとここに牛島神社があり、参道に奉納された。この常夜灯は、隅田川を航行する船にとって大変よい目印となった。
墨田区公式ウェブサイトによる「写真で見るすみだの風景 明治 向島墨堤の花見2」及び「観光案内 すみだ散策ツアー 向島・墨堤コース」から関係写真と記事を載せる。
墨堤植桜の碑(歩く時間の目安:5分から10分)
住所:向島五丁目1番
交通:東武伊勢崎線曳舟駅から約7分、バス停・向島二丁目
古来隅田川は、場所や時代によって、大川、浅草川、墨水、澄江と呼称されました。近世になって、水難を避けるために利根川の水路つけかえが行われ、以後築堤がすすみます。
享保2年(1717年)、八代将軍吉宗の命により堤に桜が植えられたことにより、墨堤の桜として江戸の名所となり、詩文に詠われ、浮世絵師が競って題材としました。
明治20年建碑、榎本武揚の筆になる「墨堤植桜の碑」はその経緯が述べられています。