長崎外の古写真考 目録番号: 1038 神戸の街路

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長崎外の幕末・明治期古写真考 目録番号: 1038 神戸の街路

HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。

目録番号: 1038 神戸の街路
〔画像解説〕
神戸居留地の街路である。場所未詳。

目録番号: 2793 神戸居留地(1)
〔画像解説〕
居留地内の中央に位置する13番館(現神戸市立博物館の場所)の屋上から、山側と海側をパノラマ風に撮影した8枚組の写真の内の、山側の1枚。明治13年(1880)頃の撮影。居留地内を左手から斜めに走る道路は浪花町筋(なにわまちすじ)。明治7年(1874)に設置されたガス灯や街路樹の位置もよくわかる。なかほどのベランダのある建物は56番のホテル・デ・コロニー(The Hotel des Colonies)で、後に3階建に建て変わったようだ。
居留地内の北側にあたるこの場所には、海岸通のような瀟洒な建物よりも倉庫(Godowns)が多いことがわかる。左手の松林は、居留地北隣の三宮神社。その左(西)側を北へ伸びる道路は、三宮筋道、三宮通などと呼ばれた現在のトア・ロード。中央を東西に走る白い線は明治7年(1874)神戸大阪間に開通した鉄道の線路。その向こうの森は生田神社。山手の北野町・山本通あたりにも洋風建築が少しずつ建っていくようすがわかる。

■ 確認結果

目録番号: 1038「神戸の街路」は、場所未詳となっているが、背後は六甲連山の山並みであろう。次の目録番号: 2793「神戸居留地(1)」は、浪花町筋から写している。青囲線の部分の山並みが似ている。

目録番号: 1038「神戸の街路」は、街路が広いので浪花町筋の東側、居留地メインストリート「京町筋」と思われる。現在の写真は、HP「車イスでも楽しめる神戸の観光」その1−神戸市街地中心部観光モデルコースから。