長崎外の幕末・明治期古写真考 目録番号:2550 神社祭礼の行列風景
HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。
目録番号:2550 神社祭礼の行列風景
[画像解説]
どこかの神社か神道系の祭典と思われる。神職が馬に乗り、お伴の者がつく。神職の回りには、手綱とり、傘持ちがいる。女性の衣装から伝統的というより、何か特別な祭りとも思われる。
目録番号:3350 千人武者行列
[画像解説]
日光東照宮の百物揃千人武者行列(ひゃくものぞろえせんにんむしゃぎょうれつ)は正式には神輿渡御祭(しんよとぎょさい)という。徳川家康の神霊を静岡県の久能山から日光へ移した当時の様子を再現する祭典である。5月と10月の2度行われる。
目録番号:2120 日光東照宮表参道
[画像解説]
日光東照宮の表参道を南の中山通り側から眺めている。参道の中央に、現在は無い堀が見られる。画面の正面突き当たりが東照宮境内で、杉木立の中に石鳥居と表門(仁王門)が見える。百物揃千人行列はこの表参道を練り歩くことで知られる。画面左手に輪王寺の三仏堂がある。
■ 確認結果
目録番号:2550「神社祭礼の行列風景」は、2枚目の目録番号:3350「千人武者行列」が同じような光景と場所を写しており、日光東照宮の「百物揃千人武者行列」と思われる。
土手・電柱・溝など比較。
撮影場所は、3枚目の目録番号:2120「日光東照宮表参道」のとおり、東照宮表参道より一の鳥居を望んでいるようである。この石鳥居の前に10段の石段があり千人桝形と呼ばれる。武士以外の百姓町人はこの石段までしか参拝できなかった。
中央の溝とゆるやかな段差は埋めたてられて、現在はないそうだ。