長崎外の幕末・明治期古写真考 目録番号:5902 皇室別荘全景 ほか
HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。
目録番号:5902 皇室別荘全景
目録番号:5903 中庭から見た皇室別荘
■ 確認結果
目録番号:5902「皇室別荘全景」と目録番号:5903「中庭から見た皇室別荘」とも、「撮影地域:箱根」なら、元箱根御用邸(箱根離宮)となる。神奈川県足柄下郡箱根町元箱根にあり、現在は「神奈川県立恩賜箱根公園」となっている。
同公園HPによる沿革は次のとおり。公園のほぼ中央に、旧離宮本館の礎石が残されている。その正面に建つのが、かつての離宮を思わせる「湖畔展望館」。展示されている箱根離宮の資料が、華やかな時代を物語る。目録番号:5903「中庭から見た皇室別荘」と同じような古写真が展示されているが確認できるだろう。
神奈川県立横須賀高校八期生HPにも、同じ古写真を「元箱根御用邸」とし記事がある。
■ 「神奈川県立恩賜箱根公園」の沿革
ここは「塔ヶ島」と呼ばれ、芦ノ湖に突出した半島のかたちをなしています。 宮内庁はここに皇族の避暑と外国からの賓客のために離宮の造営を計画しました。明治17年、当時笹の密集していた塔ヶ島を中心に163000平方メートルを買収し、離宮の造営が始まりました。
明治19年7月に完成した箱根離宮は、二階建ての西洋館と日本館を中心に官舎・兵舎が建ち並び、華麗な姿を芦ノ湖に映していましたが、大正12年の関東大震災・昭和5年の北伊豆地震と続いた災害によって倒壊してしまいました。その後、箱根離宮を再建する計画もありましたが、時代が戦争へと大きく傾いてゆく中にあって再建計画は打ち切られてしまいました。
そして、終戦後の昭和21年3月18日、離宮跡地は神奈川県に御下賜され、神奈川県はここを整備しその年の5月5日「恩賜箱根公園」として一般に開放いたしました。その後、昭和34年4月県立都市公園に指定され、園内が整備されました。さらに、平成元年より大規模な再整備工事を行いました。
恩賜箱根公園は、その恵まれた環境と富士山を正面に芦ノ湖を見下ろすすばらしい景観とによって箱根を訪れる人々の憩いの場として多くの人々に親しまれております。
【公園の概要】 名称 : 県立恩賜箱根公園
公園種別 : 風致公園 所在地 : 足柄下郡箱根町元箱根171 面積 :15.9ha