長崎外の古写真考 目録番号:1478 寺(3)

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長崎外の幕末・明治期古写真考 目録番号:1478 寺(3)

HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。

目録番号:1478 寺(3)
〔画像解説〕
茅葺屋根の御堂である。左手前のつるべ井戸で、髷を結った男が水を汲みあげている。この寺の墓守なのであろうか。

■ 確認結果

目録番号:1478「寺(3)」は、前に見た目録番号:1086「寺(1)」に似た茅葺屋根の御堂である。造りが少し小さく、別な寺と思われる。
横浜で発刊された英字新聞「ザ・ファー・イースト」に掲載された写真を見ていくと、Vol.1 No.19
1871/3/1に「TEMPLE GANJO-JI,TOBE.」があった。

願成寺(がんじょうじ)は、神奈川県横浜市西区西戸部町にある高野山真言宗の寺院。明治までは杉山神社の別当寺としてくらやみ坂の下(現・西区役所付近)にあり、横浜開港後に新設された神奈川奉行所の宿舎にもなった。 また、くらやみ坂脇には戸部監獄と刑場が置かれ、外国人殺傷事件で処刑された人々の墓がある。

九州大学デジタルアーカイブから「ザ・ファー・イースト」の「TEMPLE GANJO-JI,TOBE.」写真を最後に載せたが、目録番号:1478「寺(3)」は、この寺である可能性が考えられる。撮影の向きは違うが、茅葺屋根の御堂の造りや左手前立木は似ている。
現在の写真は、横浜市西区HPから「保土ケ谷道」。