長崎外の古写真考 目録番号:2096 丘陵地からの熱海市街

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長崎外の幕末・明治期古写真考 目録番号:2096 丘陵地からの熱海市街

HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。
整理番号46番台の一連の作品を見ている。

目録番号:2096 丘陵地からの熱海市街   豆相人車鉄道は、目録番号:2093〜2095にあり。
〔画像解説〕
キャプションがないため詳細は不明だが、高台の公園と思われる場所から、盆地に広がる町並が写されている。右手には休息所が設けられているが、人物の姿は見あたらない。

■ 確認結果

目録番号:2096「丘陵地からの熱海市街」は、「キャプションがないため詳細は不明だが、高台の公園と思われる場所から、盆地に広がる町並が写されている」と画像解説している。
写された町並みが「熱海市街」となると、はたしてこの高台の公園らしい場所はどこだろうか。背景の山の格好から見ると、この広場は公園ではなく、現在もお宮の松海岸の上の高台にある「熱海駅」あたりが考えられる。

古写真では左が海岸側となる。だが、「熱海駅」は現在のJR駅ではない。JR東海道線が開通する前の、小田原ー熱海間「豆相人車鉄道」の「熱海駅」は、現在の駅から少し下った咲見町にあった。現在、この場所には「熱海温泉の宿 南明ホテル」が建っている。
目録番号の前の3作品は「豆相人車鉄道」を写している。したがって次に到着した熱海駅前で熱海市街を撮影したことは十分に考えられる。
「豆相人車鉄道」については、「熱海温泉の宿 南明ホテル」HPに次のとおり貴重な記事と古写真がある。 http://www.nanmei.co.jp/blog/log/eid95.html

人車鉄道の熱海駅だったんです   2009.05.17 Sunday 13:19 | posted by nanmei

鉄道がお好きな方がよく南明ホテルの玄関のところで写真を撮られていますが・・実は当ホテルは人車鉄道の熱海駅だったんです。えっ?人車鉄道??って?(じんしゃてつどうと読みます) 読んで字のごとし・・で機関車が走る前の鉄道でお客様の乗った車両を人が手で押して走る鉄道です。なんだかお気の毒で、私だったら降りて一緒に押してしまいそうです^^;
こんなことをして人を運んでいたんですね。当時の職員は片道だけでぐったり〜だったんでしょうね。次の写真は当時の熱海駅です(当ホテルのできる前です)
人車鉄道が終わって機関車になったときの写真もありました(^0_0^) 皆さん、着物を着ています。町並みも明治時代を思わせます。
(これは当ホテルにはあまり関係のないお写真ですがめずらしかったのでのせてみました^^;) 当ホテルの大浴場”ひのき湯”とフロント前にもお写真がかざってありますので是非ご覧ください。

楽しい記事であろう。現在の熱海市街と山の姿は、「沼津の風景 周辺市町の風景写真」HPから。豆相人車鉄道と当時の熱海駅の古写真は、「熱海温泉の宿 南明ホテル」HPから。同ホテルの玄関脇に『豆相人車鉄道記念碑』がある。
「人車鉄道の世界」豆相人車鉄道は、 http://www.kk-net.com/~tabuchi/JINSHA.htm