長崎の幕末・明治期古写真考 目録番号:1963 八坂神社
HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。
目録番号:1963 八坂神社
〔画像解説〕
整理番号46番台の写真は、中国と日本を撮影した個人アルバムの写真である。この時代の多くの写真が、1枚物やそれをアルバムにして販売されたのに対して、個人アルバムは貴重である。全て、鮮やかな彩色がされている。
■ 確認結果
この作品は、詳しい場所の画像解説をしていないが、「撮影地域:神戸」としている。神戸市には、北区山田町原野に「八坂神社」があるが、平地の神社で、このような神社ではない。
目録番号:1963「八坂神社」は、現在の長崎市鍛冶屋町の「八坂神社」と思われる。神社の起源は、元和6年(1620)とされ、寛永3年(1626)長崎奉行の許しにより京都祇園社の御神霊をその天王社に合祀し、祇園宮延寿院と称した。その後、変遷して「八坂神社」となった。
現在の神社の様子は変わっているが、古写真に写っている鳥居の位置、諏訪神社お宮日に使われる踊り場、高い石段、両脇の塀縁石、神殿左に現在も立つ樅の高木などに注視すると、長崎の「八坂神社」に間違いないだろう。ここも茂木街道の道で、後で述べる茂木へ行く途中、立ち寄って撮影したと考えられる。
現在の八坂神社は、風景の項を参照。 https://misakimichi.com/archives/1675
2月12日に現地を再確認した。写した写真を最後に追加する。