長崎外の古写真考 目録番号: 514 瀬戸内海(2) ほか

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長崎外の幕末・明治期古写真考 目録番号: 514 瀬戸内海(2) ほか

HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品を取り上げる。

目録番号: 514 瀬戸内海(2)     同作品 目録番号:4089 瀬戸内海(4)
〔画像解説〕
整理番号11-43と同じ「INLAND SEA」のキャプションが付いているが、これも松島の一風景と思われる。着彩は全体に紫色を帯び、夕暮れの静かな内海の趣をよく伝えている。

目録番号:4088 瀬戸内海(3)

■ 確認結果

この前の番号となる整理番号11-43(目録番号: 513「瀬戸内海(1)」玉村騎兵衛アルバム)はまだ調査中。文に「それには「View of Matsushima」とある」を受けて、この目録番号: 514「瀬戸内海(2)」の画像解説になっていると思われる。
キャブションは、撮影者や後で整理した人の記入誤りがある。「Matsushima」はどこを指すのか。普通は宮城県の日本三景「松島」を考えるが、瀬戸内海でも倉敷市の市街地町名や鷲羽山側の海に小島がある。

目録番号:514の作品は、タイトルが「瀬戸内海(2)」、「撮影場所:未詳」。画像解説では「松島の一風景と思われる」とある。単葉で見たからこのような解説になったと思われる。目録番号:4089「瀬戸内海(4)」は同じ作品(掲載略)。
実は、次の目録番号:4088「瀬戸内海(3)」の作品が、目録番号: 514「瀬戸内海(2)」の景色の左側に来るようである。連結した写真を見てもらおう。

瀬戸内海で同じような景色を探すと、広島湾の宇品沖に名山「安芸小富士」(標高287m)がある「似島」という島がある。宇品港か元宇品の岬の海岸から、「似島」を撮影したものに似る。
尾道市因島大浜から東北の「百島」十文字山を望む景色もあるが、少し違うようでまだ確認できない。地元の方の検証をお願いしたい。
広島と似島を結ぶフェリーを運航する似島汽船HPに、古写真と合うような現在の写真が航空写真とともにあった。同HPによる「似島の紹介」は次のとおり。

似島は、広島湾の南約3km沖にある広島市最大の島。明治28年に旧陸軍検疫所が設置されて以降、第二次世界大戦終結まで、軍の島として歩んだ歴史があります。原子爆弾投下直後には、検疫所が臨時の病院になり、多くの負傷者が島に運ばれました。
現在は、恵まれた自然環境の中、魚釣り、登山、ハイキングなどを楽しめるリゾートアイランドとして、多くの人に親しまれています。