長崎の古写真考 目録番号:2895 滝(5) ほか

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長崎の幕末・明治期古写真考 目録番号:2895 滝(5) ほか

HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。

同古写真の主なものが長崎大学附属図書館企画・編集「長崎大学コレクション 明治7年の古写真集 長崎・熊本・鹿児島」長崎文献社刊2007年初版となって出版されている。
掲載されているのは、明治7年(1874)撮影の上野撮影局・冨重写真所合同アルバムから、昨年6月以降データベースに追加して公開された写真が多い。

この写真集の解説の疑問点についてこれまで5記事とした。以下は、本ブログによりすでに指摘している目録番号の古写真が多く、詳しい説明を省略し、疑問の要点のみを述べる。
古写真コレクションは昨年7月、国登録有形文化財となった。こういった内容の出版物が企画・編集され、まだそのまま一般に市販されているのは、誤解を生み問題があろう。
長崎大学関係者によって、現地確認のうえ早急なデータベースの整備をお願いしたい。

目録番号:2895 滝(5)

写真集 76頁  熊 本 12 御船の七滝  277×215
〔写真説明〕
上益城郡御船町にある滝。阿蘇溶結凝灰岩の節理があり、その侵蝕により滝が7段になっているのでその名がある。現在は上流に発電所の取水口が設けられ滝の景観をなさないが、地元の滝祭の時には放水される。

■ 確認結果
次記事を参照。 https://misakimichi.com/archives/1948
本写真集の第二部「熊 本」76頁に掲載されているのは、目録番号:6083「御船の七滝」 撮影者:冨重利平の作品である。まったく同一写真なのに目録番号:2895「滝(5)」は、撮影者:不詳、撮影地域:長崎のまま、データベースは現在も未整理となっている。
2007年2月頃、撮影地域を「長崎」で条件検索するとこの写真があり、「長崎の小さな滝」と説明していた。小さな滝ではなく、長崎では龍頭泉でもない。昨年8月、本格的に九州の滝HPと照合し、熊本県御船町の「七滝」と判明した。現地へ行って確認済。

目録番号:6110 稲荷川の河口(1)

写真集 80頁  鹿児島  7 稲荷川の河口(1)  273×217
〔写真説明〕
永安橋から上流を写したもの。屋敷は旧藩政時代の上町、士族居住地である。時代は遡るが、付近はザビエルが鹿児島に上陸した際に港だった場所でもある。

■ 確認結果
次記事を参照。 https://misakimichi.com/archives/1926
本写真集の第三部「鹿児島」89頁に掲載されているのは、目録番号:6110「稲荷川の河口(1)」 撮影者:冨重利平の作品である。上記のとおり写真説明しながらデータベースの作品は、撮影地域:長崎のまま、現在も未整理となっている。
この間違いは、目録番号:6099「 稲荷川の河口(2)」があってすぐ「鹿児島」とわかり、昨年8月に指摘している。