長崎の古写真考 目録番号:3861 長崎市街と長崎港(1)

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

長崎の幕末・明治期古写真考 目録番号:3861 長崎市街と長崎港(1)

HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。
確認が済んだものをその都度、最新の写真の状況を添えて報告したい。気の向くままの調査のため、目録番号の順は不同である。

目録番号:3861 長崎市街と長崎港(1)
〔画像解説〕
風頭山から長崎市街地南部を撮影した写真である。第1次長崎港改修事業(明治10年(1877)起工、明治26年(1893)完成)の中心的な工事であった、中島川の変流工事の施工中の写真であるので、撮影時期が特定できる明治19年(1866)頃の写真である。中島川の河口には、新大橋がまだ架かっているが、出島の東側には、後に出島橋となる橋が架設中である。まだ中島川の旧河床が見えており、旧河床と中島川の接点に長久橋があるが、その付近では中島川が新しく掘削されている。東山手と梅香崎の接点から埠頭が海側に突き出ており、そこに長崎税関の建物が赤く彩色されている。出島の中に2つの教会の尖塔が見える。写真の右端の高台には明治9年(1876)に建設された長崎県庁が見える。木造2階建て4棟、2階にベランダのある洋館である。市街地中心部を詳細に見ると、鍛冶屋町通り、本石灰町から本籠町の通り、東浜町から西浜町の家並みが見える。明治19年(1886)頃の長崎中心市街地の建物が特定できる鮮明な写真である。

(関連作品)
目録番号:3879 長崎市街と長崎港(2)  目録番号:4239 長崎市街と長崎港(3)
目録番号:5882 長崎市街と長崎港(4)  目録番号:5897 長崎市街と長崎港(5)

■ 確認結果
関連作品ともいずれも同じような構図で、風頭山の山頂か、現在の展望所などから長崎港と港口の方を撮影している。