長崎の古写真考 目録番号:5620 風頭山でのハタ揚げ

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長崎の幕末・明治期古写真考 目録番号:5620 風頭山でのハタ揚げ

HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。

目録番号:5620 風頭山でのハタ揚げ
[画像解説]
風頭山頂におけるハタ(凧)揚げの風景を演出した写真と思われる。明治20年代後半(1895頃)の写真。山頂に達した東風が山をくだって市街地に至るので風頭山といわれている。3月、4月にハタ揚げをする。山の向うに中心市街地が見えている。向かいの山は稲佐山で、埋め立て前の現・JR長崎駅付近から筑後町の一部が見える。

■ 確認結果

撮影場所の見晴らしの良い高台の岩場は、現在、風頭山公園の坂本龍馬像が建つ展望所と思われる。同じように曲がって登る遊歩道が残り、左下に上野彦馬の墓の一角が写っている。

画像解説の「向かいの山は稲佐山」は良いが、「埋め立て前の現・JR長崎駅から筑後町の一部が見える」だろうか。古写真を見る限り、展望所が右半分に大きく占め、これらははっきり確認できない。JR長崎駅の場所は、まだ少し右となるので、展望所の後ろとなって写ってないのではないだろうか。

現在の写真は、坂本龍馬像のある展望所は木立が高く同方面を写せないので、その先の一段高い別の展望台から写した。