「ふるさと」の古写真考 P.59 大浦海岸より見た飽浦(昭和27年)

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「ふるさと長崎市」の古写真考 P.59 大浦海岸より見た飽浦(昭和27年)

長崎市制施行120周年記念写真集「ふるさと長崎市」(長野県松本市(株)郷土出版社2008年12月刊)に収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。
確認が済んだものをその都度、最新の写真の状況を添えて報告したい。気の向くままの調査のため、掲載順は不同である。

懐かしき風景・街並み  P.59 大浦海岸より見た飽浦(昭和27年)
〔写真説明〕
戦後の混乱期を経て、ようやく復活した造船所の遠景。この年、財閥解体で分社化された長崎造船所が再び新生三菱重工業長崎造船所(通称長船)としてスタートを切った。長崎を牽引する長船は昭和20年代後半には早くも単一造船所で進水量世界一を達成した。港中央部には、発足したばかりの海上警備隊のあさひ型警備艦が停泊している。手前の中小の造船所でも小型貨物船や漁船がさかんに造られ、造船の町として復興が進んでいた。(提供:長崎市)   

■ 確認結果
この写真は、鍋冠山(標高192.2m)の山頂から撮影されている。眼下に浪の平町の中小造船所と現在の国道が写り、高度感があるので、大浦海岸から見た光景とはならない。
対岸中央の山は稲佐山。山頂から右へ春木町方面に下る尾根、その上奥にかすむ山は岩屋山である。山の稜線の重なり具合から判断するべきであろう。
「飽浦」は、現在の町名から「飽の浦」が良い。