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「海軍水準」の標石が三重県や高知県でも見つかる
佐世保市小佐々町の楠泊海岸で、珍しい「海軍水準」の標石を見かけたのは、2008年6月である。正面「海軍水準」、裏面「水路部」、右面「+」、左面「昭和十五年」。下部は埋れて不明。
いきさつは次項を参照。 https://misakimichi.com/archives/960
近代測量史研究の京都市、上西先生へ問い合わせても、初めて見る標石類で研究課題となった。ところで先生は、ちゃんと追跡調査をしてくれていたのである。
上西先生が類似の標石を、三重県伊勢市と四日市市へ出向き見つけ、3月2日付けメールで、標石の現地写真を送ってくれた。内容は次のとおり。
昨年6月にお知らせいただきました佐世保市小佐々の「海軍水準」標石ですが、最近、わたしも類似の標石を三重県で見ました。伊勢市と四日市市です。(写真添付)
基本水準標といわれ+印の横棒が水深などの測量の基準線になります。旧海軍のものを、いまも海上保安庁がつかっている場合があります。僅かですが全国各地にあるようです。
今、「海軍水準」でネット検索をすると、高知県須崎市の港にも、昭和3年「海軍水準」標石があり、海岸保全区域の指定基点として須崎市法令に表われている。(海岸名 須崎港海岸 基点3 須崎市須崎向山2002番地先「昭和3年海軍水準標柱」から120度70メートルの地点)
また、「の〜んびり!かさぶらんかのブログ」の標石写真は、見たような鳥居の景色と思ったら、これは佐世保市小佐々町の楠泊海岸の同じ標石だった。2008年12月23日「天使の梯子」記事の次を参照。 http://myhome.cururu.jp/kasaburannkadaiku/blog/article/81002444148
両方とも最近のもので、昨年6月の検索では出てこなかったようだ。
「海軍水準」の標石はまだ僅かだが、全国各地に残っている可能性がある。当時、旧海軍の測量においてどのような使われ方をしたのか、これからの研究の端緒となれば、幸いに思われる。