長崎の古写真考 目録番号:3883 外国人の野外祝賀パーティー(1)ほか

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長崎の幕末・明治期古写真考 目録番号:3883 外国人の野外祝賀パーティー(1)ほか

HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」に収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。

目録番号:3883 外国人の野外祝賀パーティー(1)
目録番号:3884 外国人の野外祝賀パーティー(2)
目録番号:3885 外国人の野外祝賀パーティー(3)

■ 確認結果

古写真の1枚目は、まだはっきり確認できないが、現在の「長崎グラバー園」出口の坂道が、一番よく似ている。
注視することは、坂下の横道脇に右へ流れている溝。かなり大きな溝なので、現存しているはずである。坂上の奥と左側に、洋館2棟の屋根が見える。

入口に大きく飾られた国旗は、デンマークである。同国との関わりは、大北部電信会社のほか、グラバー園内の旧リンガー住宅に明治時代に住んでいた、イギリス人「フレデリック・リンガー」。
「ホーム・リンガー商会」を設立し、貿易業務、各国商社代理業務などにたずさわり、スウェーデン、ノルウェー、デンマークなどの名誉領事にも就任したとある。
祝賀パーティーが、そのときの式だった可能性がある。

古写真の2枚目と3枚目は、野外である。3枚目では高鉾島が見え、奥は香焼島と沖の島の間の海。外国人の遊歩が許された「皇后島」(鼠島)の高台広場に会場を設け、野外祝賀パーティをしたようである。
角度を変えた2枚目の、はるかな山の稜線は、八郎岳尾根縦走路。3枚目の左側に立つ白い洋服の人物が主賓のようで、リンガーに似ている。

昨年夏ごろ3枚目の古写真が、、朝日新聞のシリーズ「長崎今昔 長大写真コレクション」に載った。撮影場所を知らせていたのに、「神の島」と説明し掲載されていた。
新聞で紹介するなら、もっと現場へ出かけ古写真を実地確認し、記事にしていただきたい。
最後の写真が、「神の島」の教会から見た場合の高鉾島である。島はこのようにしかならない。