長崎の古写真考 目録番号:5128 長崎片町道路並川(茂木)(1)

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長崎の幕末・明治期古写真考 目録番号:5128 長崎片町道路並川(1)

HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」に収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。

目録番号:5128 長崎片町道路並川(茂木)(1) 関連作品 5129 同(2),5130 同(3)も同じ。

■ 確認結果

この古写真を取り上げたのは、タイトルがどうかと思ったからである。絵葉書の下部に「長崎片町道路並川」とあるから、そうしていると思われるが、「並川」とは片町の対岸で、今の字名は「南川」となると思われる。
若菜川が字境。ほとんど「並川」は写っていないのに、タイトルとなるのはどうか。「片町」も厳格に言うと、まだ下流域となろう。

古写真は川沿いの広い立派な道路を写している。明治18年(1885)に、人力車や荷馬車が通るように新道(旧県道)として整備された道である。
今の茂木小学校前まで来た状景と思われる。道路左側に小学校の校舎ができ、対岸の広場が学校のグランドとなって、学校専用橋で結ばれている。
ここで学校先の尾根稜線後ろに、背景の北浦の山がこの格好に覗いて見えるようである。

後ろのモノクロ写真は、茂木商工会30周年記念誌の67頁から。「茂木街道の景(大正時代)」として、今の茂木小学校ができた辺りを写している。
茂木小学校が現在の地(茂木村字辻)にできたのは、明治28年4月。
なお、裳着神社へ行くと、まったく同じ場所の雪景色写真が、「渕頭より眺める大正初期の茂木旧街道(現茂木小学校付近)」と説明し展示されていた。