長崎の古写真考 目録番号: 977 ドンの山から見た出島と長崎港(1)

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長崎の幕末・明治期古写真考 目録番号: 977 ドンの山から見た出島と長崎港(1)

HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」に収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。

目録番号: 977 ドンの山から見た出島と長崎港(1)
(関連作品)
目録番号: 4028 ドンの山から見た出島と長崎港(2)
目録番号: 4863 ドンの山から見た出島と長崎港(3)
目録番号: 4878 ドンの山から見た大浦居留地・出島
目録番号: 5296 ドンの山から見た大浦居留地と長崎港(1)
目録番号: 5299 ドンの山から見た大浦居留地と長崎港(2)
目録番号: 1292 小島付近墓地からの市街地

■ 確認結果

「ドンの山」は、東山手の上方の山。標高は131mほど。本来の名は「風取山」だったそうだが、明治から昭和にかけて38年間、この山から市民に正午を知らせる大砲の空砲を打っていたことから「ドンの山」と呼ばれている。
古写真HPで条件を指定して探すと、「ドンの山」で6枚、「どんの山」で1枚の関連作品が出てくる。ほとんどのタイトルや撮影場所を、前は「十人町」や「鍋冠山」「星取山」からと説明していた。

これは「十人町」からと説明していた目録番号:977の古写真。中央右に出島や新地が写り、広場場から流れる川の河口と梅香崎橋が斜め左上に上り、東山手の高台が続いている。
「十人町」でなく、東山手の上方「どんの山」山頂あたりから写したものである。
「十人町」とは高度がまったく違うし、港の対岸は稲佐山の尾根。その奥の岩屋山稜線との重なり具合から、判断していただきたい。

指摘により、タイトルは訂正されたが、居留地全体のほかの写真でも、橋名の「梅ヶ崎橋」「松ケ枝橋」「下り松橋」の混同した説明がある。
目録番号: 1292は、「小島付近墓地からの市街地」。説明は「長崎の正覚寺の右上、小島郷のどんの山の墓地付近から長崎の市内中央を望む」。どんの山は「元町」。「小島」とは、地形的にあまり結びつかない。

「ドンの山」関係の写真を取り上げたのは、目録番号:977と同じような写真の目録番号:4878「ドンの山(「から」の字抜け)見た大浦居留地・出島」が、東山手町の長崎市「古写真・埋蔵資料館」に展示されている。タイトルが「鍋冠山から見た大浦居留地・出島」となっていたようだ。入館は有料なのに、ほかにも2点、説明に疑問を感じたものがあった。
最新写真の後ろの2枚は、参考までに鍋冠山展望台からと星取山下の長崎霊園近くからの写真。方向が違う。目録番号:4878は、後日「星取山」からと確認した。
https://misakimichi.com/archives/1598