長戸鬼塚古墳 諌早市小長井町小川原浦
国道207号線により諌早市小長井町まで行く。小長井の町へ出る前が長戸である。小深井の入江に架かる帆崎橋から高台へ登った国道右方へ案内標識がある。右折してこの道へ入り、戻るように丘陵の先端部、帆崎へと行く。
墓地の先に円墳が見え、ここが「長戸鬼塚古墳」である。有明海や雲仙が良く望める。古墳の中はつっかいをしていて、内部を見学できる。
玄室と羨道に、鯨・船などの線刻画と線刻文が刻まれているらしいが、懐中電灯を持参しても、今は確認がむずかしいようだ。
入江の対岸、帆崎橋脇の金刀比羅神社上にも丸尾古墳(別項)があるが、損壊して工事中。
現地説明板は次のとおり。
長戸鬼塚古墳 (史跡)
昭和63年3月1日指定 諌早市教育委員会
有明海に面した標高約10mの丘陵先端部に造られている。墳丘は、高さ約5m、直径約15mの円墳である。
石室は典型的な複室構造(玄室・前室・羨道)をもつ横穴式石室で、巨石を積み上げ、持ち送るという築造工法をとっている。全長9.6m。
貴重な線刻壁画古墳で、築造年代は、7世紀後半と考えられる。本古墳には、玄室(棺を安置する部屋)と羨道に鯨・船などの線刻画の他に格子文・鋸歯文などの線刻文が刻まれている。
県内の、線刻古墳は、本古墳の他に、丸尾古墳(本町牧名)、善神さん古墳(高来町)など、7例が知られているだけである。
隣接する墓地からは、開墾の際箱式石棺が7〜10基発見され、中から人骨、鉄刀等が出土したと伝えられる。
本町には本古墳の他に大峰古墳(大峰名)、城山古墳(井崎名)があり、同様なものは有明海沿岸に広く分布している。