桜谷神社のスギ 長崎市東立神町
長崎港の対岸、三菱長崎造船所立神ドックのある東立神町の右方谷間の最奥部に「桜谷神社」はある。古書の長崎地名考に「桜谷は立神郷にあり、花の頃遠くこれを望むに雲のごとく霞のごとし。邑の少女春遊する所なり」
明治16年(1883)拝殿などの新築の折、参道に桜の木が多く植えられたということであるが、今では桜谷の名を偲ばせる面影はなく、大杉があった。
桜谷神社へは、立神バス停近くの立神公園から右手へ谷間の道を上って行く。暗渠の通りと石段をかなり登って20分はかかる。次を読んで大杉2本を確認してきた。
最上部社殿にすぐ着く手前参道の右下の大岩前に立つ。幹囲は2.9mと2.5m。市街地に残るスギとしては大きく感じる。この道は「ホタル越し」という木鉢へ抜ける古道でもあったらしい。
岩永弘氏著「歴史散歩 長崎北西の史跡」2006年春刊35頁による説明は次のとおり。
立神の桜谷神社
立神バス停で下車すると近くに立神公園があります。右側の緩やかな坂を進むと直ぐ立神公会堂があり、入口左側に台座を含め高さ4mの記念碑があります。…坂道を5分ほど上がって行くと桜谷神社の鳥居があります。文化5年(1808)建立。途中、みこし堂があり立派な神輿が保管してあります。秋のお祭りは11月3日の由。続く石段の両側は山で小川が流れ、左斜面帯は竹林です。
二の鳥居は昭和8年(1933)建立。これより石段を100段ほど登ると右手にちょっとした小広場があり、運動公園の立て札が立っています。さらに60段ほど登って一休み、上方に目をやると、再び110段あまりの石段と目指す桜谷神社が見えます。空気も良く又、環境も良いので疲れは其れほど感じません。
境内右下の大岩前に天然記念物と言ってもよいような見事な杉の大木が2本屹立しています。右先の大きい方は根回り2.9mで直径92cm、左の方は根回り2.5m直径72cmです。立神公園から神社まで20分位です。…