大山導水トンネル  長崎市大山町大山川

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大山導水トンネル  長崎市大山町大山川

第1次世界大戦後、周辺地区人口の都市集中化から水の需要は日増しに増大していった。第2次拡張事業は、1920年(大正9)10月に起工、1926年(大正15)に完成した。主要工事が、小ヶ倉ダムと出雲浄水場である。
小ヶ倉ダムは、当時、長崎市のダムのうちで最大のもの。戸町岳尾根を越した大山川からも取水し、同ダムに導くため「大山導水トンネル」が開削された。

現地へは、県道237号線小ヶ倉バイパスの「大山入口」バス停から鹿尾ダムの方へ行く。ダム上流域に大山への案内標識があり、左山手へ上って行く。「大山教会入口」分岐を過ぎ、300mほど進むと開けた谷合いに出る。
「大山導水トンネル」の取水口が左下の沢に見える。ここは大山林道起点。「烏帽子岩まで2.7k」の道標がある。戸町岳山頂(標高427m)がすぐ上に近くに見える。

「長崎水道百年史」長崎市水道局1992年刊217頁の第2回拡張工事竣工概要による導水トンネルの説明は次のとおり。
工事期間が明記されてないが、1925年(大正14)11月工事に着手したようである。

第5章 大正時代の水道   第3節 第2回拡張事業
大山川導水工事
大山川は小ヶ倉村鹿尾川の支流で本水源地の流域に隣接する。集水面積約19万6,000坪(64万7,935㎡)、これを小ヶ倉貯水池に導き、貯水能力の増大を図る為、両渓谷間、山脈に隧道を開削して、本貯水池第一量水堰上流770間(1,400m)の地点の渓谷に放流導水する。
隧道は1,000分之1勾配、高6尺(1.82m)、幅5尺(1.52m)、全長232間(421.78m)、底部中央に幅15寸(0.5m)、深さ7.5寸(0.25m)、混凝土溝で隧道断面を考慮し毎秒最大40立方尺(1.11㎥)までを導水出来得る。