中島川変流部護岸 長崎市中島川
長崎市の繁華街、「中央橋」バス停から中島川の下流へ向かうと、国指定史跡「出島和蘭商館跡」があり、この角の河口に鉄橋のトラス橋「出島橋/(旧)新川口橋」が架かる。
「中島川変流部護岸」は、この「出島橋」の右岸の先、江戸町通り有料駐車場の川岸である。
石護岸の緩やかなカーブは、出島橋からよく見える。「出島和蘭商館跡」の対岸となる。
HPによると「長さ約200m」とある。港入口「出島ワーフ」あたりまで見たが、当時の石護岸が残っているのは、やはりこの駐車場のところだけのようである。
後の写真は参考。今の出島正門口で発見されている西側護岸石垣遺跡と、日華連絡船(長崎上海航路)時代、昭和5年(1930)出島岸壁「長崎港駅」まで延長された鉄道「臨港線」。
戦後もSLが走り、昭和62年廃止された。長崎駅から細長い遊歩道がその跡である。
土木学会編「日本の近代土木遺産(現存する重要な土木構造物2000選)」の中より、九州での河川、道路を主とする公共的な土木施設を紹介した社団法人九州建設弘済会HP「土木遺産 in九州」長崎県の中の説明は次のとおり。
最後の写真は、8月26日に「出島和蘭商館跡」に入場してから写したので追加した。
中島川変流部護岸 長崎県長崎市中島川 〔護 岸〕
第1次事業の遺構であり、カーブを描く布積護岸である。
所在地・完成年等
●所在地:長崎県長崎市中島川
●完成年:1889年(明治22年)
●設計者:不明
●施工者:(第1次長崎港湾改修事業)
●管理者:不明
●文化財指定等:
施設の形式・諸元
●延長:200m残
●形式:石護岸〈切石布積〉
●設計者:梅扶高元、デ・レーケ
遺産の説明(社会的背景・歴史的・文化的価値など)
明治22年に完成した中島川変流部護岸は、長崎市を流れる中島川の下流にある長さ約200mの切石布積の石護岸です。改修事業の調査は、長崎県より政府に依頼し、梅扶高元、デ・レーケ両氏により行われ、流路変更と共に、出島を平均約10間(約18m)削り取り拡幅されています。石護岸は緩やかなカーブを描き美しく、長崎市街の風景に溶け込んでいます。
交通アクセス JR長崎駅から1.0km、徒歩で10分。