長崎市磯道町の「みさき道」近くに見るゆうこうの木
江戸期の脇岬観音寺参りの道「みさき道」は、現在のダイヤランド団地長崎バス車庫下から鹿尾川を飛び石で渡るため、土井首大山祇神社鳥居前へ下る。現在の町域では、このあたりの山中は「磯道町」である。
世界のスローフードに認定された柑橘類の新種「ゆうこう」発見のきっかけとなった木は、ここにある(所在地図では、中央最下の青○の場所。「みさき道」を歩いていて、下側の畑地に見える。写真7〜9)。
正月、地元の山仲間M氏が「国道鹿尾橋脇から山道をみさき道分岐まで登ったら、発見のきっかけの木以外に、ゆうこうの木数本を見た」と教えてくれた。私はこの道は数年前、逆に下ったことがある。実がなっていない夏頃の時期だった。ゆうこうにもそれほど関心がなかったので、木には気付いていない。
川上氏へ知らせ、きのう1月9日、2人で現地調査した。鹿尾橋から山道を大山祇神社前まで歩いた。合計8本を所在地図のとおり畑地などで確認した。
このあたりのゆうこうの木の存在は、こう記したら新しい発見のように思われるが、私とM氏が知らなかっただけ。川上氏は、さすがゆうこう研究の第一人者である。彼が以前調査したゆうこうの木土井首地区分布リストには、すでに全部が載っていた木だったため、再確認の調査となった。今の時期、ゆうこうは黄色い実がなり、木がわかりやすい。
関心のある方は訪ねてもらいたい。まとまった木の存在は珍しい。「みさき道」から分岐して下るこの道も、鹿尾川渡し舟や鹿尾橋が架かってから良く利用された旧道の道と思われる。